日本人が知っておくべきEB-1Cビザの基礎知識とは?
EB-1Cは、多国籍企業の管理職・経営幹部向けの永住権です。L-1ビザからの切り替えを検討する日本人も多いですが、その要件や手続きは複雑です。

Daniel Aydin監修
Plansera AI 創業者 / 法学士・移民法実務家
回答
日本人が知っておくべきEB-1Cビザの基礎知識
EB-1Cビザは、多国籍企業の管理職または経営幹部として米国に転勤する外国人が、永住権(グリーンカード)を取得するためのカテゴリーです。L-1ビザ(企業内転勤ビザ)で米国に駐在している日本人が、永住権取得を目指す上で有力な選択肢の一つとなります。この記事では、EB-1Cビザの基本的な要件、申請プロセス、注意点などを詳しく解説します。
EB-1Cビザとは
EB-1Cビザは、雇用に基づく永住権(Employment-Based Immigration)の第一優先カテゴリー(EB-1)の一つで、多国籍企業の管理職または経営幹部が対象です。L-1Aビザ(企業内転勤ビザ:管理職・経営者向け)からの切り替えで取得を目指すケースが多く見られます。
EB-1Cビザの申請要件
EB-1Cビザを申請するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 雇用主の要件:
- 米国に事業所を持っていること
- 海外にも事業所(親会社、子会社、支店、関連会社など)を持っていること
- 少なくとも1年以上、継続して事業を行っていること
- 職務内容の要件:
- 管理職または経営幹部としての職務であること
- 「管理職」とは、組織の運営、部門の管理、従業員の監督などを行う職務を指します。
- 「経営幹部」とは、組織の経営方針の決定、目標の設定、事業戦略の立案などを行う職務を指します。
- 従業員の要件:
- 申請前の過去3年間のうち、少なくとも1年間は海外の関連会社で管理職または経営幹部として勤務していたこと
- 米国においても、管理職または経営幹部として勤務すること
EB-1Cビザの申請プロセス
EB-1Cビザの申請プロセスは、以下のステップで構成されます。
- I-140(外国人就労者請願書)の提出: 雇用主がUSCIS(米国移民局)にI-140を提出します。この際、企業の規模、財務状況、組織図、従業員の職務内容などを証明する書類を添付する必要があります。
- I-485(永住権申請書)の提出: I-140が承認された後、従業員(申請者)はI-485をUSCISに提出します。I-485は、米国での永住権(グリーンカード)を申請するための書類です。
- 面接: USCISの面接官との面接が行われます。面接では、申請者の経歴、職務内容、永住権取得の目的などが質問されます。
- 永住権の取得: 面接に合格し、I-485が承認されると、永住権(グリーンカード)が取得できます。
申請に必要な書類の例:
- 雇用主からの推薦状
- 申請者の履歴書
- 学歴証明書
- 職務経歴証明書
- 会社の組織図
- 会社の財務諸表
- パスポートのコピー
- 出生証明書
- 結婚証明書(該当する場合)
- 犯罪経歴証明書
EB-1CとL-1Aの違い
EB-1CビザとL-1Aビザは、どちらも多国籍企業の管理職・経営幹部向けのビザですが、いくつかの重要な違いがあります。
| 項目 | EB-1Cビザ | L-1Aビザ |
|---|---|---|
| ビザの種類 | 永住権(グリーンカード) | 非移民ビザ(一時的な滞在) |
| 滞在期間 | 無期限 | 最長7年 |
| 申請のタイミング | 米国内または国外から申請可能 | 米国外から申請する必要がある |
| 労働許可 | 永住権取得後は、自由に就労可能 | 特定の雇用主の下でのみ就労可能 |
| 家族の滞在 | 配偶者と21歳未満の子供は、永住権を取得できる | 配偶者と21歳未満の子供は、L-2ビザで滞在できる |
よくある誤解
- 「L-1Aビザを持っていれば、自動的にEB-1Cビザを取得できる」: L-1Aビザを持っていることは、EB-1Cビザの申請資格を満たすための前提条件の一つに過ぎません。EB-1Cビザの要件を別途満たす必要があります。
- 「EB-1Cビザの申請は簡単だ」: EB-1Cビザの申請は、企業の規模や組織構造、従業員の職務内容などを詳細に証明する必要があるため、非常に複雑なプロセスです。専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
- 「EB-1Cビザはすぐに取得できる」: EB-1Cビザの審査には時間がかかります。I-140の審査期間は通常6ヶ月から1年以上、I-485の審査期間も同様に長くなることがあります。申請のタイミングや状況によって、さらに時間がかかる場合もあります。
まとめ
EB-1Cビザは、多国籍企業の管理職・経営幹部が永住権を取得するための有効な手段です。L-1Aビザからの切り替えを検討する際には、EB-1Cビザの要件を十分に理解し、専門家のアドバイスを受けながら慎重に準備を進めることが重要です。
次のステップ
- 弁護士に相談する: EB-1Cビザの申請プロセスは複雑であるため、移民法専門の弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、申請資格の確認、必要書類の準備、申請書の作成、面接の準備など、申請プロセス全体をサポートしてくれます。
- 企業の人事担当者と相談する: EB-1Cビザの申請は、企業がサポートする必要があります。人事担当者と相談し、会社のサポート体制や申請に必要な書類などを確認しましょう。
- 必要書類を準備する: 弁護士や人事担当者の指示に従い、必要な書類を収集し、準備しましょう。書類の準備には時間がかかる場合があるため、早めに準備を始めることをお勧めします。
- 申請書を提出する: 準備が整ったら、弁護士のサポートを受けながら、申請書をUSCISに提出します。申請書に不備があると、審査が遅れたり、却下されたりする可能性があるため、注意が必要です。
- 面接の準備をする: 面接の通知が届いたら、弁護士と面接の練習をしましょう。面接では、申請者の経歴、職務内容、永住権取得の目的などが質問されます。自信を持って、正直に答えることが重要です。
この回答の監修者

Daniel Aydin(ダニエル・アイディン)
Plansera AI 創業者 / 法学士・移民法実務家
Daniel Aydin(ダニエル・アイディン)は、AIによる事業計画書作成サービス「Plansera AI」の創業者です。Eastern Mediterranean University 法学部卒(法学士)。米国テキサス州ダラスの移民法律事務所で LegalTech・成長責任者を務め、E-2ビザをはじめとする数多くの移民・起業案件の実務に携わってきました。さらに Gusto(Y Combinator 出身のユニコーン企業)や RemoteTeam.com で国際労務・コンプライアンスの法務コンサルタントを歴任。法律とテクノロジーの両分野の知見を活かし、日本人起業家のアメリカ進出を支援しています。
免責事項
この回答は教育目的のみであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な移住やビジネスの決定については、必ず認可された専門家(弁護士、会計士など)にご相談ください。情報は執筆時点のものであり、法律や規制は変更される可能性があります。