アメリカ 永住
アメリカ永住(永住権・グリーンカード取得)の方法を完全解説。永住権の種類、取得条件、申請手続き、費用、処理期間、職業別の取得方法、抽選制度、永住後の生活まで詳しくご案内します。
NipponToUSA編集部

アメリカ 永住
アメリカに永住するには、米国永住権(グリーンカード)を取得する必要があります。グリーンカードの取得方法は、家族ベース、雇用ベース、投資、DV抽選(多様性ビザ)、結婚、難民・庇護の6つに大別され、日本人にとって現実的なルートは雇用ベース(EB-1〜EB-5)、DV抽選、結婚ベースの3つです。本記事では、2026年最新の公式情報に基づき、アメリカ永住に必要なすべての知識を体系的に解説します。
グリーンカード(永住権)とは何か?
グリーンカードは、正式名称を「Permanent Resident Card(永住者カード、Form I-551)」といい、外国籍の方が米国に合法的に永住する権利を証明する身分証明書です。グリーンカード保持者は「合法的永住者(Lawful Permanent Resident、LPR)」と呼ばれ、米国での就労・居住・起業が自由にでき、将来的に米国市民権(帰化)を申請する資格も得られます。
グリーンカードの有効期間は通常10年間で、期限前に更新(Form I-90)が必要です。結婚ベースで取得した場合は、最初の2年間が条件付き永住権(Conditional Residence)となり、2年後にForm I-751を提出して条件を解除する手続きが求められます。
グリーンカードと市民権(国籍)の違い
アメリカ永住を目指す際に混同されやすい「永住権(グリーンカード)」と「市民権(Citizenship)」は、法律上の位置づけが大きく異なります。以下の比較表で主な違いを確認してください。
| 項目 | グリーンカード保持者(LPR) | 米国市民(US Citizen) | | :--- | :--- | :--- | | 滞在期間の制限 | 原則6か月以上の国外滞在で永住権喪失リスクあり | 制限なし | | 投票権 | なし | あり(連邦・州・地方選挙) | | 連邦公務員への就任 | 一部制限あり | 制限なし | | 国外追放の可能性 | 重罪等で国外追放のリスクあり | 原則なし | | パスポート | 日本のパスポートを使用 | 米国パスポートを取得可能 | | 家族の永住権申請 | 配偶者・未婚の子のみスポンサー可 | 直系親族全員をスポンサー可 | | 社会保障給付 | 一部制限あり | 完全に受給可能 | | 市民権申請の資格 | 永住権取得後5年(結婚ベースは3年)で帰化申請可能 | — |
グリーンカード保持者は米国市民に近い権利を持ちますが、投票権がなく、長期の国外滞在で永住権を失うリスクがある点が最大の違いです。
グリーンカードを取得する6つの方法
米国移民局(USCIS)が定めるグリーンカード取得のルートは、大きく以下の6つに分類されます。
1. 家族ベース(Family-Based Immigration)
米国市民または永住権保持者の家族として永住権を申請する方法です。家族ベースは「直系親族(Immediate Relatives)」と「優先家族カテゴリー(Family Preference、F1〜F4)」の2種類に分かれます。
直系親族(年間ビザ発給数の上限なし):
- 米国市民の配偶者
- 米国市民の21歳未満の未婚の子供
- 21歳以上の米国市民の両親
優先家族カテゴリー(年間発給数に上限あり):
| カテゴリー | 対象者 | 年間発給数上限 | 平均待機期間 | | :--- | :--- | :--- | :--- | | F1 | 米国市民の21歳以上の未婚の成人子 | 約23,400件 | 7〜15年 | | F2A | 永住権保持者の配偶者・21歳未満の未婚子 | 約87,900件 | 2〜5年 | | F2B | 永住権保持者の21歳以上の未婚の成人子 | 約26,300件 | 10〜15年 | | F3 | 米国市民の既婚の成人子 | 約23,400件 | 15〜23年 | | F4 | 米国市民の兄弟姉妹 | 約65,000件 | 15〜23年 |
直系親族カテゴリーは待機期間が短く(通常1〜2年の審査期間)、優先家族カテゴリーは年間発給数の制限があるため、数年から20年以上の待機が必要になるケースもあります。
2. 雇用ベース(Employment-Based Immigration)
米国での雇用を通じて永住権を取得する方法で、5つの優先カテゴリー(EB-1〜EB-5)があります。日本人がアメリカ永住を実現するうえで最も一般的なルートの一つです。
| カテゴリー | 対象者 | 労働認証(PERM) | 最低投資額 | | :--- | :--- | :--- | :--- | | EB-1 | 卓越した能力者、優秀な教授・研究者、多国籍企業の管理職 | 不要 | — | | EB-2 | 修士号以上の専門職、卓越した能力者、国益免除(NIW) | 通常必要(NIWは不要) | — | | EB-3 | 学士号以上の専門職、熟練労働者、非熟練労働者 | 必要 | — | | EB-4 | 宗教関係者、特別移民カテゴリー | 不要 | — | | EB-5 | 投資家(雇用創出が条件) | 不要 | $800,000〜$1,050,000 |
雇用ベースの詳細は後述の「職業別の永住権取得方法」で詳しく解説します。
3. DV抽選プログラム(Diversity Visa Lottery)
DV抽選プログラムは、米国国務省が毎年実施する永住権の抽選制度です。移民の少ない国の国民を対象とし、年間約55,000件のグリーンカードが抽選で配分されます。日本国籍保持者は応募資格があり、応募は無料です。
DV抽選プログラムの基本情報:
- 応募期間:毎年10月〜11月の約1か月間
- 応募方法:米国国務省公式サイト(dvprogram.state.gov)から無料で応募
- 当選確率:約0.3%〜0.5%(応募者約2,200万人中、約80,000〜100,000人が当選通知を受領)
- 応募資格:高校卒業以上の学歴、または過去5年以内に2年以上の職務経験(指定職種)
- 結果発表:翌年5月に公式サイトで確認
- 手続き期限:当選後、同会計年度の9月30日までに全手続きを完了する必要あり
DV抽選は費用がかからず誰でも応募できるため、アメリカ永住を目指す日本人は毎年応募することを強く推奨します。ただし、詐欺サイトに注意し、必ず公式サイトから応募してください。
4. 結婚ベース(Marriage to US Citizen)
米国市民との結婚を通じて永住権を取得する方法です。米国市民の配偶者は直系親族カテゴリーに該当するため、年間発給数の上限がなく、比較的早い処理が期待できます。
結婚ベースの永住権申請の流れ:
- 米国市民の配偶者がForm I-130(外国人親族請願書)を提出
- 米国内の場合:Form I-485(在留資格変更申請)を同時提出(コンカレント・ファイリング)
- 米国外の場合:在外米国大使館/領事館でのビザ面接
- 最初の2年間は条件付き永住権(Conditional Residence)
- 2年後にForm I-751を提出して条件解除
結婚ベースでは、USCISが偽装結婚でないことを厳格に審査します。結婚の真実性を証明するために、共同の銀行口座、共同の賃貸契約、家族・友人からの宣誓供述書などの証拠書類が求められます。
5. 難民・庇護(Refugee/Asylee Status)
迫害を受ける恐れがある人が米国で保護を受ける制度です。難民(Refugee)は米国外から、庇護申請者(Asylee)は米国内または入国地点から保護を申請します。難民・庇護として認定されてから1年後にグリーンカードを申請できます。
6. その他の特別カテゴリー
上記以外にも、以下の特別なカテゴリーがあります。
- VAWA自己請願: 米国市民または永住権保持者による虐待の被害者
- Tビザ・Uビザ: 人身売買や特定犯罪の被害者
- 特別移民少年(SIJS): 虐待・放棄・ネグレクトを受けた未成年者
職業別の永住権取得方法
日本人がアメリカ永住を目指す場合、自身の職業やスキルに適した雇用ベースのカテゴリーを選ぶことが重要です。以下に職業別の最適なルートを解説します。
エンジニア・IT専門職(EB-2 / EB-3)
ソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、ネットワークエンジニアなどのIT専門職は、米国で最も需要が高い職種の一つであり、EB-2またはEB-3カテゴリーでの永住権取得が一般的です。
- EB-2(修士号以上または学士号+5年以上の職務経験): 修士号を持つエンジニアはEB-2カテゴリーが最適。処理期間は出生国によって異なり、日本国籍者の場合は比較的短い
- EB-3(学士号以上): 学士号のみの場合はEB-3カテゴリーが一般的。EB-2より待機期間が長くなる傾向
- NIW(国益免除): 米国の国益に資する研究や技術を持つ場合、雇用主のスポンサーなしでEB-2 NIWを申請可能
IT専門職の場合、H-1Bビザで米国就労を開始し、その後雇用主のスポンサーシップで永住権を申請するのが標準的な流れです。
企業幹部・管理職(EB-1C / L-1A経由)
多国籍企業の管理職または役員は、EB-1Cカテゴリーで永住権を申請できます。EB-1Cは労働認証(PERM)が不要であり、処理期間も比較的短い点がメリットです。
- 対象者: 過去3年以内に米国外の関連会社で1年以上管理職・役員として勤務した経験がある方
- 一般的なルート: まずL-1Aビザ(企業内転勤ビザ)で米国に赴任し、その後EB-1Cで永住権を申請
- 要件: 米国の関連会社で管理職・役員として勤務する予定であること
アーティスト・アスリート(EB-1A / EB-1B)
科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツの分野で卓越した能力を持つ方は、EB-1Aカテゴリーで永住権を申請できます。EB-1Aは労働認証(PERM)が不要で、雇用主のスポンサーも不要(自己申請可能)という大きなメリットがあります。
EB-1Aの主な要件(以下のうち3つ以上を証明):
- 国内外の賞の受賞歴
- 著名な団体・協会の会員資格
- 専門紙・メディアでの掲載
- 審査員・ジャッジとしての活動実績
- 分野への独自の貢献
- 学術論文の出版
- 展覧会や展示会での作品公開
- 主導的・重要な役割の実績
- 高額報酬の実績
- 商業的成功の実績
EB-1B(優秀な教授・研究者)は、 3年以上の教育・研究経験を持ち、国際的に評価される業績がある教授・研究者が対象です。米国の大学や研究機関からの雇用オファーが必要です。
投資家(EB-5プログラム)
EB-5投資永住権プログラムは、米国への投資と雇用創出を通じて永住権を取得する方法です。2026年現在の投資額要件は以下のとおりです。
| 投資タイプ | 最低投資額 | 対象地域 | | :--- | :--- | :--- | | 標準投資 | $1,050,000(約1億5,750万円) | 全米どこでも | | TEA(目標雇用地域)投資 | $800,000(約1億2,000万円) | 高失業率地域・農村地域 |
EB-5の主な要件:
- 新規商業事業への投資であること
- 投資資金の合法性を証明すること
- 少なくとも10人のフルタイム雇用を創出すること(直接投資の場合)
- リージョナルセンター経由の場合は間接雇用もカウント可能
EB-5は最初の2年間が条件付き永住権となり、雇用創出要件を満たしたことを証明した後に正式な永住権が付与されます。
研究者・大学教授(EB-1B / NIW)
大学教授や研究者がアメリカ永住を目指す場合、EB-1B(優秀な教授・研究者)またはEB-2 NIW(国益免除)が主な選択肢です。
- EB-1B: 国際的に優秀と認められた教授・研究者が対象。米国の大学・研究機関からの常勤雇用オファーが必要。3年以上の教育・研究経験が条件
- NIW(国益免除): 研究が米国の国益に資する場合、雇用主のスポンサーや労働認証なしで自己申請が可能。博士号保持者や、被引用数の高い論文を持つ研究者に有利
NIWは「Matter of Dhanasar」判例に基づき、以下の3要件を満たす必要があります。
- 提案する事業が相当な価値と国家的重要性を持つこと
- 申請者がその事業を推進する立場にあること
- 労働認証要件を免除することが米国の国益にかなうこと
グリーンカード申請の手続き(ステップバイステップ)
グリーンカードの申請手続きは、カテゴリーによって異なりますが、雇用ベース(EB-2/EB-3)の場合の一般的な流れは以下のとおりです。
ステップ1:労働認証(PERM)の取得
雇用主が米国労働省(DOL)にForm ETA-9089を提出し、その職位に適格な米国労働者がいないことを証明します。PERMの処理期間は約6〜12か月です。
ステップ2:移民請願書(Form I-140)の提出
雇用主がUSCISにForm I-140を提出し、申請者の資格と雇用関係を証明します。通常処理で約6〜9か月、プレミアム処理(追加料金$2,805)で15営業日以内の審査が可能です。
ステップ3:優先日(Priority Date)の待機
申請者の出生国と申請カテゴリーに基づき、ビザ番号が利用可能になるまで待機します。日本国籍者の場合、EB-2/EB-3ともに待機期間は比較的短い傾向にあります(2026年現在、概ねCurrent〜数か月程度)。
ステップ4:在留資格変更(Form I-485)またはビザ面接
- 米国内の場合: USCISにForm I-485(在留資格変更申請書)を提出。生体認証(バイオメトリクス)の採取、面接が行われます
- 米国外の場合: ナショナルビザセンター(NVC)を通じて在外米国大使館/領事館でビザ面接を受けます
ステップ5:グリーンカードの受領
承認後、グリーンカードが郵送で届きます。通常、I-485承認後2〜4週間でカードが届きます。
処理期間とプライオリティデート
グリーンカードの処理期間は申請カテゴリー、出生国、申請時の混雑状況によって大きく異なります。2026年3月現在の目安は以下のとおりです。
| カテゴリー | PERM処理期間 | I-140処理期間 | I-485処理期間 | 合計目安 | | :--- | :--- | :--- | :--- | :--- | | EB-1 | 不要 | 6〜9か月(PP: 15日) | 8〜14か月 | 1〜2年 | | EB-2 | 6〜12か月 | 6〜9か月(PP: 15日) | 8〜14か月 | 2〜3年 | | EB-3 | 6〜12か月 | 6〜9か月(PP: 15日) | 8〜14か月 | 2〜3年 | | EB-5 | 不要 | 24〜48か月 | 12〜24か月 | 3〜6年 | | 家族ベース(直系親族) | — | — | 12〜24か月 | 1〜2年 | | DV抽選 | — | — | — | 当選後6〜12か月 |
プライオリティデート(Priority Date)とは: 永住権申請の「予約番号」に相当する日付です。PERMの場合はPERM申請受理日、I-140の場合はI-140提出日がプライオリティデートとなります。米国国務省が毎月発行するVisa Bulletinで、各カテゴリー・出生国別のカットオフデートが公表され、自分のプライオリティデートがカットオフデート以前であれば、I-485を提出(またはビザ面接を受ける)ことができます。
費用の内訳
アメリカ永住権の取得にかかる費用は、申請カテゴリーや個別の状況によって異なります。以下は2026年現在の主な費用項目です。
USCIS申請料金
| 申請書 | 費用(2026年) | 備考 | | :--- | :--- | :--- | | Form I-130(家族請願) | $535 | 家族ベースの場合 | | Form I-140(雇用請願) | $700 | 雇用ベースの場合 | | Form I-485(在留資格変更) | $1,440 | 14歳以上の申請者。生体認証料を含む | | Form I-485(在留資格変更) | $950 | 14歳未満の申請者 | | プレミアム処理(I-140) | $2,805 | 15営業日以内の審査を希望する場合 | | Form I-751(条件解除) | $750 | 結婚ベースの条件付き永住権解除 | | Form I-90(グリーンカード更新) | $465 | 10年ごとの更新時 |
その他の費用
| 項目 | 費用目安 | 備考 | | :--- | :--- | :--- | | 移民弁護士費用 | $3,000〜$15,000 | カテゴリーにより大幅に異なる | | 健康診断(I-693) | $200〜$500 | USCIS指定医師(Civil Surgeon)による検査 | | PERM関連費用 | $5,000〜$15,000 | 求人広告費用を含む(雇用主負担が一般的) | | 翻訳・認証費用 | $100〜$500 | 戸籍謄本等の日本語書類の英訳・認証 | | EB-5投資額 | $800,000〜$1,050,000 | 投資資金として別途必要 |
雇用ベースの場合、PERM関連費用とI-140申請料は雇用主が負担するのが一般的です。I-485の申請料は申請者本人が負担するケースが多いですが、企業によっては全額負担してくれる場合もあります。
グリーンカードを維持するための条件
グリーンカードを取得した後も、永住権を維持するためにはいくつかの重要な条件を守る必要があります。
居住要件
グリーンカード保持者は、米国を主要な居住地(Primary Residence)としなければなりません。以下の点に注意が必要です。
- 6か月以上の国外滞在: 永住の意思を放棄したとみなされるリスクがあります
- 1年以上の国外滞在: 原則としてグリーンカードが無効になります。事前にRe-entry Permit(Form I-131、再入国許可証)を取得すれば、最大2年間の国外滞在が可能です
- 連続的な居住の証明: 米国の住所、銀行口座、納税記録、運転免許証などで居住実態を証明する必要があります
納税義務
グリーンカード保持者は、米国市民と同様に全世界の所得について米国連邦所得税を申告・納付する義務があります。日本とアメリカは租税条約を締結しているため、二重課税の軽減措置が適用されますが、必ず毎年の確定申告(Tax Return)を行ってください。
法律の遵守
特定の犯罪(重罪、薬物犯罪、道徳違反犯罪など)で有罪判決を受けると、永住権の取消しと国外追放の対象となる可能性があります。
グリーンカードの更新
グリーンカードの有効期限は10年間です。期限の6か月前からForm I-90で更新申請が可能です。更新を怠ると身分証明に支障をきたすため、早めに手続きを行ってください。
アメリカ永住が難しいと言われる理由
アメリカ永住を目指す日本人にとって、以下のような課題やハードルが存在します。
1. ビザ番号の制限と長い待機期間
雇用ベースの永住権には年間約14万件の発給上限があり、国別にも上限(全体の7%)が設けられています。インドや中国出身者は10年以上の待機が発生するケースもありますが、日本国籍者は比較的待機期間が短い傾向にあります。
2. PERM(労働認証)の複雑さ
雇用主は、その職位に適格な米国労働者がいないことを証明するために、新聞広告やオンライン求人サイトへの掲載など、厳格な求人活動を行う必要があります。このプロセスだけで6〜12か月かかります。
3. 雇用主のスポンサーシップ依存
EB-2/EB-3カテゴリーの場合、雇用主がスポンサーとなってPERMとI-140を申請する必要があります。転職するとプロセスが振り出しに戻る場合があるため、永住権取得まで同じ雇用主に留まることが求められるケースが多いです。
4. 高額な費用
EB-5の場合は投資額だけで$800,000〜$1,050,000が必要です。その他のカテゴリーでも、弁護士費用や申請料を合わせると$5,000〜$20,000程度の費用がかかります。
5. 法改正やポリシー変更のリスク
米国の移民政策は政権交代やMemo(政策覚書)の発行によって頻繁に変更されます。申請中にルールが変わる可能性があるため、最新情報を常に確認する必要があります。
永住権保持者の権利と義務
グリーンカードを取得すると、以下の権利と義務が発生します。
権利
- 就労の自由: ほぼすべての職種で、雇用主のスポンサーシップなしに自由に就労可能
- 起業の自由: 米国内で制限なく事業を運営可能
- 教育: 州立大学の州内授業料(In-State Tuition)の適用を受けられる場合がある
- 社会保障: Social Security、Medicare等の給付対象
- 旅行の自由: 一定の条件下で米国への出入国が容易
- 家族のスポンサー: 配偶者と未婚の子供の永住権申請をスポンサー可能
義務
- 米国連邦所得税の申告・納付: 全世界所得が対象
- Selective Service(選抜徴兵登録): 18〜25歳の男性は登録義務あり
- 居住義務: 米国を主要な居住地とすること
- 法律の遵守: 連邦法・州法・地方法を守ること
- 住所変更届出: 住所変更後10日以内にUSCISに届出(Form AR-11)
グリーンカードから市民権(帰化)への道
グリーンカード保持者は、一定の条件を満たすことで米国市民権(Naturalization)を申請できます。帰化の主な要件は以下のとおりです。
| 要件 | 一般的なケース | 結婚ベースのケース | | :--- | :--- | :--- | | 永住権保持期間 | 5年以上 | 3年以上 | | 米国内の継続居住 | 申請前5年のうち30か月以上 | 申請前3年のうち18か月以上 | | 州内の居住期間 | 申請する州に3か月以上居住 | 同左 | | 英語能力テスト | 読み書き・会話 | 同左 | | 市民権テスト(Civics Test) | 米国の歴史・政府に関する100問中6問正解 | 同左 | | 善良な道徳性(Good Moral Character) | 犯罪歴がないこと等 | 同左 | | 申請料 | $760(2026年現在) | 同左 |
帰化の手続きは、Form N-400の提出、生体認証の採取、面接・テスト、宣誓式の順で進みます。処理期間は通常8〜14か月です。帰化すると、投票権の取得、米国パスポートの取得、国外追放の対象外になるなど、永住権にはないメリットが得られます。
なお、日本は二重国籍を認めていないため、米国市民権を取得すると日本国籍を喪失する点に注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. アメリカ永住権の取得にはどれくらいの期間がかかりますか?
取得期間は申請カテゴリーによって大きく異なります。DV抽選で当選した場合は6〜12か月、米国市民の配偶者(直系親族)の場合は1〜2年、雇用ベース(EB-2/EB-3)の場合は2〜3年(日本国籍者の場合)、EB-5投資の場合は3〜6年が目安です。家族優先カテゴリー(F1〜F4)の場合は7年〜23年以上かかるケースもあります。
Q2. グリーンカード取得後、日本に帰国しても永住権は維持できますか?
6か月未満の一時帰国であれば問題ありませんが、6か月以上の国外滞在は永住の意思を疑われるリスクがあります。1年以上の国外滞在はグリーンカードが無効になる可能性があるため、事前にRe-entry Permit(再入国許可証、Form I-131)を取得してください。再入国許可証があれば最大2年間の国外滞在が認められます。
Q3. DV抽選プログラムに日本人は応募できますか?
日本国籍保持者はDV抽選プログラムに応募する資格があります。応募は毎年10月〜11月に米国国務省公式サイト(dvprogram.state.gov)から無料で行えます。当選確率は約0.3%〜0.5%ですが、費用がかからないため毎年応募することを推奨します。配偶者がいる場合は、それぞれ別々に応募することで当選確率を高めることができます。
Q4. 永住権を取得すると日本国籍はどうなりますか?
グリーンカード(永住権)の取得で日本国籍を失うことはありません。日本国籍を喪失するのは、米国市民権(帰化)を取得した場合です。グリーンカード保持者は日本国籍を維持したまま米国に永住できます。
Q5. 雇用主がスポンサーを辞退した場合、永住権申請はどうなりますか?
I-140が承認された後であれば、180日以上経過していれば「ポータビリティ」制度を利用して別の雇用主に移ることが可能です(AC21法に基づく)。ただし、I-140承認前にスポンサーが辞退した場合は、新しい雇用主のもとでプロセスを最初からやり直す必要があります。プライオリティデートは保持できる場合があるため、移民弁護士に相談することを推奨します。
Q6. EB-5投資で永住権を取得する場合、投資資金はいつ回収できますか?
EB-5プログラムでは、条件付き永住権の条件解除(通常、投資から約5〜7年後)が完了するまで投資を維持する必要があります。条件解除後に投資を回収することが可能ですが、投資先の事業状況によっては元本が保証されない点に注意が必要です。リージョナルセンター経由の投資の場合、プロジェクトの完了時期によって回収時期が異なります。
Q7. 永住権を放棄したい場合はどうすればよいですか?
グリーンカードの自発的な放棄は、Form I-407(永住権放棄記録)を米国大使館/領事館またはUSCISに提出することで可能です。放棄後は非移民ビザなしで米国に入国できなくなります。また、8年以上のグリーンカード保持歴がある場合は、出国税(Expatriation Tax)の対象となる可能性があるため、税理士に事前相談することを推奨します。
まとめ
アメリカ永住を実現するためのグリーンカード取得は、家族ベース、雇用ベース(EB-1〜EB-5)、DV抽選、結婚ベース、難民・庇護など、複数のルートがあります。日本人にとって現実的な選択肢は、雇用ベース(特にEB-2/EB-3のIT・専門職、EB-1の卓越した能力者、EB-5の投資家)、DV抽選(毎年の無料応募推奨)、米国市民との結婚の3つです。
永住権取得後は、米国での就労・起業の自由、社会保障の受給、将来の市民権取得への道が開かれます。一方で、全世界所得への米国税申告義務、居住要件の遵守、長期国外滞在時の再入国許可証取得など、維持に必要な条件もあります。
アメリカ永住の手続きは複雑で法改正も頻繁に行われるため、早い段階から経験豊富な移民弁護士に相談し、最新の情報に基づいた戦略を立てることが成功への近道です。
本記事は2026年3月時点の情報に基づいて作成されています。移民法や申請要件は頻繁に変更されるため、最新の情報については必ずUSCIS公式サイト(uscis.gov)または米国国務省公式サイト(travel.state.gov)をご確認ください。具体的な申請については、移民法専門の弁護士にご相談されることを強くお勧めします。
免責事項
この記事は教育目的のみであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な移住やビジネスの決定については、必ず認可された専門家(弁護士、会計士など)にご相談ください。
NipponToUSA編集部
NipponToUSA ライター。アメリカでのビジネスと移住に関する専門情報を日本語でお届けします。


