L-1ビザでブランケット申請は可能ですか?
L-1ビザのブランケット申請は、一定の要件を満たす大規模な企業グループに認められています。申請資格や手続きについて詳しく解説します。

Daniel Aydin監修
Plansera AI 創業者 / 法学士・移民法実務家
回答
L-1ビザでブランケット申請は可能ですか?
L-1ビザ、特にL-1Aビザ(企業内転勤者ビザの管理職・経営者向け)においては、一定の条件を満たす大規模な企業グループに対して、個別のL-1ビザ申請を簡略化する「ブランケット申請」という制度が存在します。このブランケット申請を利用することで、個々の従業員がL-1ビザを取得する際の手続きが大幅に効率化され、企業側の負担も軽減されます。しかし、ブランケット申請を利用するためには、企業が満たすべき厳格な要件があり、また、個々の従業員にも一定の資格要件が求められます。
本記事では、L-1ビザのブランケット申請の概要、申請資格、手続き、および注意点について詳しく解説します。L-1ビザ取得を検討している企業担当者や駐在員の方は、ぜひ参考にしてください。
ブランケット申請の概要
L-1ビザのブランケット申請とは、米国移民局(USCIS)が認可した特定の企業グループに対して、個々の従業員のL-1ビザ申請を簡略化する制度です。通常、L-1ビザの申請は、個々の従業員ごとにI-129フォームを提出し、審査を受ける必要があります。しかし、ブランケット申請が認可された企業グループに所属する従業員は、I-129フォームの提出を省略し、直接米国大使館または領事館でビザ面接を受けることができます。これにより、申請プロセスが迅速化され、企業側の事務負担が軽減されます。
ブランケット申請は、特に大規模な多国籍企業にとって非常に有用な制度です。頻繁に海外の従業員を米国に転勤させる企業にとっては、時間とコストを大幅に削減することができます。
ブランケット申請の資格要件
ブランケット申請を行うためには、企業グループ全体が以下の要件を満たす必要があります。
- 米国にオフィスが存在すること: 米国内に物理的なオフィスが存在し、事業活動を行っている必要があります。
- 指定された数のL-1ビザを取得済みであること: 過去1年間に少なくとも10件のL-1ビザ申請が承認されている必要があります。
- 年間売上高の要件: 米国における年間売上高が2500万ドル以上である必要があります。
- 米国および海外に3つ以上の支店、子会社、または関連会社があること: グローバルな事業展開を行っている必要があります。
- 過去に却下されたL-1ビザ申請の割合が低いこと: L-1ビザ申請の却下率が1%を超えないことが望ましいです。ただし、この要件は絶対的なものではなく、USCISの判断に委ねられる場合があります。
これらの要件を満たす企業グループは、I-129フォームをUSCISに提出し、ブランケット申請の承認を求めることができます。申請が承認されると、企業はブランケットLの承認通知を受け取ります。
ブランケット申請の手続き
ブランケット申請の手続きは、通常のL-1ビザ申請とは異なります。主な違いは、個々の従業員がI-129フォームを提出する必要がない点です。ブランケット申請を利用する場合、従業員は以下の手順でL-1ビザを取得します。
- 企業による資格確認: 企業は、従業員がL-1ビザの資格要件を満たしていることを確認します。これには、従業員が過去3年間のうち少なくとも1年間、海外の関連会社で継続して勤務していたこと、および、米国での職務内容が管理職、経営者、または専門知識を必要とする職務であることを確認することが含まれます。
- I-129Sフォームの作成: 企業は、従業員ごとにI-129Sフォーム(非ブランケットL請願に基づく非移民労働者申請)を作成します。このフォームには、従業員の個人情報、職務内容、および企業情報が含まれます。
- 必要書類の準備: 従業員は、パスポート、写真、職務経歴書、学歴証明書、およびその他の関連書類を準備します。
- 米国大使館または領事館での面接: 従業員は、居住地の米国大使館または領事館でビザ面接を受けます。面接では、従業員の資格、渡米目的、および帰国意思などが審査されます。
- ビザ発給: 面接に合格した場合、従業員はL-1ビザが発給されます。
ブランケット申請の場合、I-129フォームをUSCISに提出する必要がないため、申請プロセスが大幅に迅速化されます。ただし、従業員はビザ面接を受ける必要があり、面接では厳格な審査が行われます。
よくある誤解
- ブランケット申請があれば誰でもL-1ビザを取得できる: ブランケット申請は、あくまで申請プロセスを簡略化するものであり、L-1ビザの資格要件が免除されるわけではありません。従業員は、L-1ビザの資格要件を満たしている必要があります。
- ブランケット申請はすべての企業に適用される: ブランケット申請は、一定の要件を満たす大規模な企業グループにのみ適用されます。中小企業や新規設立企業は、ブランケット申請を利用することができません。
- ブランケット申請はビザ取得を保証する: ブランケット申請は、申請プロセスを迅速化するものであり、ビザ取得を保証するものではありません。ビザの発給は、米国大使館または領事館の判断に委ねられます。
まとめ
L-1ビザのブランケット申請は、一定の要件を満たす大規模な企業グループにとって、非常に有用な制度です。申請プロセスを簡略化し、時間とコストを削減することができます。しかし、ブランケット申請を利用するためには、企業および従業員が満たすべき厳格な要件があり、また、ビザの発給は米国大使館または領事館の判断に委ねられます。
次のステップ
- 自社がブランケット申請の資格要件を満たしているか確認する: 上記の資格要件を参考に、自社がブランケット申請の資格を満たしているか確認してください。
- 移民弁護士に相談する: ブランケット申請の手続きや資格要件について、専門家である移民弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、個々の状況に応じて最適なアドバイスを提供してくれます。
- I-129Sフォームの作成と必要書類の準備: 従業員ごとにI-129Sフォームを作成し、必要な書類を準備します。
- 米国大使館または領事館でのビザ面接: 従業員は、居住地の米国大使館または領事館でビザ面接を受けます。面接では、従業員の資格、渡米目的、および帰国意思などが審査されます。
- ビザ発給後の手続き: L-1ビザが発給されたら、米国への入国手続きを行い、就労を開始します。就労期間中は、ビザの条件を遵守し、必要に応じてビザの更新手続きを行います。
免責事項: この情報は一般的なガイダンスのみを目的としており、法的助言を構成するものではありません。具体的な法的問題については、必ず資格のある移民弁護士にご相談ください。米国移民法は頻繁に変更されるため、常に最新の情報を参照することが重要です。公式情報源としては、米国移民局(USCIS)のウェブサイト(https://www.uscis.gov/)をご参照ください。
この回答の監修者

Daniel Aydin(ダニエル・アイディン)
Plansera AI 創業者 / 法学士・移民法実務家
Daniel Aydin(ダニエル・アイディン)は、AIによる事業計画書作成サービス「Plansera AI」の創業者です。Eastern Mediterranean University 法学部卒(法学士)。米国テキサス州ダラスの移民法律事務所で LegalTech・成長責任者を務め、E-2ビザをはじめとする数多くの移民・起業案件の実務に携わってきました。さらに Gusto(Y Combinator 出身のユニコーン企業)や RemoteTeam.com で国際労務・コンプライアンスの法務コンサルタントを歴任。法律とテクノロジーの両分野の知見を活かし、日本人起業家のアメリカ進出を支援しています。
免責事項
この回答は教育目的のみであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な移住やビジネスの決定については、必ず認可された専門家(弁護士、会計士など)にご相談ください。情報は執筆時点のものであり、法律や規制は変更される可能性があります。