K-1ビザ取得後のグリーンカード申請:身分調整の完全ガイド
K-1ビザでアメリカに入国し結婚した後、グリーンカードを取得するための身分調整(I-485)の手順・必要書類・費用・期間を日本人向けに徹底解説します。

Daniel Aydin
Plansera AI 創業者 / 法学士・移民法実務家

K-1ビザ取得後のグリーンカード申請:身分調整(Adjustment of Status)完全ガイド
K-1ビザ(フィアンセビザ)でアメリカに入国した後、米国市民と結婚すれば、アメリカ国内でグリーンカード(永住権)を申請できます。この手続きを「身分調整(Adjustment of Status)」と呼び、フォームI-485を使って申請します。K-1ビザ入国から結婚、そしてグリーンカード取得までの全ステップを、日本人向けにわかりやすく解説します。
K-1ビザとグリーンカードの関係:まず押さえるべき基本
K-1ビザはフィアンセ(婚約者)ビザであり、入国後90日以内に米国市民と結婚することを条件として発給されます。この90日以内に結婚が成立すれば、そのままアメリカ国内でグリーンカードを申請する資格が生まれます。
重要なポイントは以下の通りです:
- K-1ビザでの入国後、必ず90日以内に結婚しなければなりません
- 結婚後、グリーンカード申請(I-485)の提出はいつでも可能ですが、早めに動くことが推奨されます
- 身分調整中は、**就労許可(EAD)と渡航許可(Advance Parole)**の同時申請が可能です
- グリーンカードは**条件付き永住権(2年間有効)**として最初に発給されます
もしK-1ビザに関する基本情報をまず確認したい場合は、K-1ビザ(フィアンセビザ)の取得方法も参考にしてください。
Step 1:入国後90日以内に結婚する
K-1ビザで入国したら、最初にすべきことは90日以内に結婚を成立させることです。
民事婚(Civil Marriage)について
アメリカでの結婚は各州の法律に従います。多くの州では、郡(County)の事務所で**婚姻許可証(Marriage License)**を取得し、結婚式を行った後に証明書(Marriage Certificate)を受け取ります。
| 州 | 婚姻許可証取得から挙式まで | 費用(目安) | 待機期間 |
|---|---|---|---|
| カリフォルニア州 | 即日〜3日 | $35〜$100 | なし(多くの郡) |
| テキサス州 | 72時間以上必要 | $70〜$82 | 72時間 |
| ニューヨーク州 | 24時間以上必要 | $35〜$40 | 24時間 |
| フロリダ州 | 即日(3日の待機免除可) | $93.50 | 通常3日(免除可) |
婚約者ビザで入国した場合、宗教的な結婚式だけでは不十分です。法的に有効な結婚として認められるために、必ず郡の発行する婚姻証明書が必要です。
90日を過ぎた場合はどうなるか
90日以内に結婚しなかった場合、K-1ビザは失効し、アメリカを出国しなければなりません。この場合、グリーンカードを取得するには、**IR-1/CR-1ビザ(配偶者移民ビザ)**を通じて領事館処理(Consular Processing)を行う別のルートが必要になります。
Step 2:グリーンカード申請に必要な書類を準備する
結婚が成立したら、グリーンカード申請(I-485)の準備を始めます。申請書類は複数のフォームと証明書類からなります。
主要フォーム一覧
| フォーム | 名称 | 目的 | 費用(2026年現在) |
|---|---|---|---|
| I-485 | Application to Register Permanent Residence | 身分調整の本体申請 | $1,440(18歳以上) |
| I-864 | Affidavit of Support | 米国市民スポンサーによる生活保証 | 無料(I-485とセット) |
| I-693 | Medical Examination | 移民身体検査報告書 | 医師料金($200〜$500目安) |
| I-765 | Application for Employment Authorization | 就労許可証(EAD)申請 | I-485と同時申請なら無料 |
| I-131 | Application for Travel Document | 渡航許可(Advance Parole)申請 | I-485と同時申請なら無料 |
2026年6月時点の費用: USCISの公式サイト(uscis.gov/fees)で最新の手数料を必ず確認してください。手数料は変更になる場合があります。
必要な証明書類
以下の書類を準備します(コピーを提出しますが、原本を面接時に持参できるよう保管してください):
申請者(K-1ビザ保持者=あなた)の書類:
- パスポートのコピー(顔写真ページ、入国スタンプのページ)
- I-94(入国記録)のプリントアウト ※CBP公式サイトから印刷
- K-1ビザの写し
- 出生証明書(日本語原本+英語翻訳)
- 証明写真(USCIS規定サイズ:2インチ×2インチ)2枚
- 犯罪歴がある場合は関連書類
結婚・関係性を証明する書類:
- 婚姻証明書(Marriage Certificate)
- 2人が実際のカップルであることを示す証拠(共通の写真、共同口座の明細、共同賃貸契約等)
スポンサー(米国市民の配偶者)の書類(I-864用):
- 直近3年分の確定申告書(IRS Tax Transcriptが望ましい)
- 雇用証明書または収入証明書
- W-2またはパンフォームなど
身体検査(I-693)について
USCISが認定する特定の医師(Civil Surgeon)のみが実施できます。USCIS公式サイトでお近くのCivil Surgeonを探してください。
身体検査の内容:
- 血液検査(梅毒等の感染症)
- ツベルクリン反応またはIGRA検査(結核)
- 予防接種の確認(麻疹・おたふく風邪・風疹・水痘・肝炎など)
- 一般身体診察
費用は医師によって異なりますが、$200〜$500程度が一般的です。結果はシールされた封筒でUSCISに提出します。I-693は2年間有効ですが、グリーンカード取得前に期限切れになる場合は再検査が必要です。
Step 3:I-485パッケージをUSCISに提出する
書類が揃ったら、指定のUSCIS郵送先に送付します。
提出先の確認
提出先はお住まいの州によって異なります。USCIS公式の提出先一覧で確認してください。
提出時のチェックリスト
- I-485フォームに署名・日付の記入漏れなし
- I-864にスポンサーの署名あり
- I-765(EAD申請)添付
- I-131(Advance Parole申請)添付
- I-693(シールされた封筒のまま)添付
- 手数料の小切手またはマネーオーダー(I-485分)
- 証明写真2枚
- 全フォームのコピー保存済み
提出後の流れ
- Receipt Notice(I-797C)受領:提出後2〜4週間でUSCISから受領通知が届きます。このNotice Number(EAC/WAC/LINなど)で申請ステータスを追跡できます。
- Biometrics(生体情報)予約:指紋採取・写真撮影のためASC(Application Support Center)への来所通知が届きます。
- EAD・Advance Parole発行:I-765とI-131を同時申請した場合、グリーンカード面接前にEAD(就労許可証)が発行されることが多く、面接前でも合法的に働けます。
- 面接通知:地域のUSCIS事務所での面接通知が届きます。
Step 4:USCIS面接に臨む
K-1ビザからの身分調整では、原則として夫婦2人でUSCIS事務所での面接が必要です。
面接当日の持ち物
- 面接通知書
- パスポート(原本)
- 永住権申請書類のコピー一式
- 婚姻証明書(原本)
- 結婚の実態を示す追加証拠(共同住居の証拠、写真アルバム等)
- I-693の原本(もしまだ提出していない場合)
面接でよく聞かれる質問
移民官は結婚の真実性(bona fide marriage)を確認するため、以下のような質問をします:
- どこで出会いましたか?
- 何年(何月)に交際を始めましたか?
- 最初のデートはどこでしたか?
- お互いの家族について教えてください
- 現在の住所、間取りを教えてください
- 朝食は何を食べましたか?
- ベッドのどちら側で寝ていますか?
重要: 面接官が夫婦を別室で別々に質問することがあります(Stokes Interview)。回答が大きく食い違うと審査に影響するため、事前に2人でよく確認しておきましょう。
Step 5:条件付き永住権(2年)とその後
条件付きグリーンカード(CR-1相当)とは
K-1ビザから身分調整した場合、結婚から2年未満でグリーンカードが発行されると**条件付き永住権(Conditional Permanent Residence)**が付与されます。カード有効期間は2年です。
条件を解除するには、グリーンカード取得から90日前〜満了日の間にフォームI-751(Petition to Remove Conditions on Residence)を提出します。
| 段階 | 内容 | タイミング |
|---|---|---|
| 条件付きグリーンカード発行 | 2年有効 | 面接承認後 |
| I-751提出期間 | 有効期限の90日前〜満了日 | グリーンカード取得約22〜24か月後 |
| 条件解除後の永住権 | 10年有効(更新制) | I-751承認後 |
| 市民権申請資格 | 永住権取得後3年(配偶者として) | I-751承認後3年後 |
I-751提出に必要な証拠
2年後の条件解除申請では、結婚が「真実の結婚」であることを引き続き証明する必要があります。以下のような書類を蓄積しておくことをお勧めします:
- 共同銀行口座の明細書(2年分)
- 共同でのリース契約や住宅ローン
- 子供の出生証明書(いる場合)
- 共同名義の税申告書
- 保険証書(相互の受取人指定)
- 旅行の記録・写真
処理期間と費用の目安(2026年)
処理期間
USCISのケース処理時間は申請件数や管轄事務所によって変動します。USCIS Processing Timesで常に最新情報を確認してください。
| 申請 | 平均処理期間(目安) |
|---|---|
| EAD(就労許可) | 3〜7か月 |
| Advance Parole(渡航許可) | 3〜7か月 |
| I-485(身分調整) | 8〜24か月(事務所によって大きく異なる) |
| I-751(条件解除) | 12〜24か月 |
費用まとめ
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| I-485申請費用(18歳以上) | $1,440 |
| I-765(I-485と同時) | $0 |
| I-131(I-485と同時) | $0 |
| 身体検査(Civil Surgeon) | $200〜$500(目安) |
| 翻訳費用 | $50〜$200(書類数による) |
| 弁護士費用(任意) | $1,500〜$4,000 |
| I-751(条件解除) | $595 |
| 合計目安 | $3,785〜$6,135 |
※費用は2026年6月時点の目安です。最新の手数料はUSCIS公式サイトでご確認ください。
注意点とよくある失敗
よくある失敗とその対処法
1. フォームの記入ミス USCISのフォームは頻繁に更新されます。必ずUSCIS公式サイトから最新版をダウンロードして使用してください。古いバージョンのフォームは却下されます。
2. 身体検査の有効期限切れ I-693は2年間有効ですが、処理が長引いた場合に期限切れになることがあります。面接前に期限を確認しましょう。
3. 90日以内に結婚しなかった K-1ビザの90日を過ぎてしまった場合は、いったん日本に帰国し、IR-1/CR-1ビザ(既婚者向け移民ビザ)を申請し直す必要があります。
4. 渡航許可(Advance Parole)なしに出国した 身分調整中(I-485申請中)にAdvance Parole(AP)なしでアメリカを出国すると、申請が自動的に放棄されたとみなされる場合があります。緊急の帰国が必要な場合は必ず事前に弁護士に相談してください。
5. RFE(追加証拠請求)への対応遅延 USCISからRequest for Evidence(RFE)が届いた場合、指定期間内(通常87日)に回答しなければ申請が却下されます。
弁護士に依頼すべきか?
K-1からの身分調整は、他の移民手続きと比べると比較的シンプルですが、以下の状況では弁護士に相談することを強くお勧めします:
- 過去にビザ違反、不法滞在の歴がある
- 犯罪歴(日本での軽微な違反含む)がある
- 過去にUSCISの申請が却下されたことがある
- 英語でのコミュニケーションに不安がある
- RFE(追加証拠請求)を受け取った
アメリカの移民弁護士費用はK-1→身分調整のパッケージで$1,500〜$4,000程度が相場です。適切な弁護士を選ぶためのポイントはアメリカの移民弁護士の選び方もご参照ください。
申請状況の確認方法
I-485申請後は以下の方法でステータスを確認できます:
- USCIS Case Status Online:egov.uscis.gov/casestatusにReceipt Number(EAC/WAC/LIN/SRCから始まる番号)を入力
- Emma(USCISのチャットボット):USCISサイトのチャット機能
- USCIS Contact Center:1-800-375-5283(英語・スペイン語対応)
まとめ:K-1からグリーンカードへのロードマップ
K-1ビザからグリーンカードを取得するまでの流れを整理します:
- K-1ビザで入国 → 入国日から90日のカウント開始
- 90日以内に結婚 → 婚姻証明書を取得
- I-485パッケージを準備・提出 → I-765(EAD)、I-131(AP)も同時申請
- 生体情報(Biometrics)の提出 → ASCセンターへ来所
- EAD取得 → 合法的に就労開始可能
- USCIS面接 → 夫婦2人で参加
- 条件付きグリーンカード取得(2年有効)
- 2年後にI-751提出 → 条件解除
- 10年有効グリーンカード取得
- (任意)3年後に市民権申請 → 配偶者として通常より早く申請可能
この全プロセスには2〜3年かかるのが一般的です。しかし、EADが発行される申請中の段階(通常3〜7か月)から合法的に働き始めることができます。
K-1ビザの取得についてはこちらの記事K-1ビザ(フィアンセビザ)完全ガイド、また結婚後のグリーンカード取得の別ルートについては結婚によるグリーンカード取得ガイドもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. K-1ビザで入国後、90日以内に結婚できなかった場合はどうなりますか?
K-1ビザは90日以内に結婚することを条件として発給されています。この期間内に結婚しなかった場合、K-1ビザは失効し、アメリカに滞在し続けることは不法滞在となります。速やかに出国し、もし婚姻が成立した場合は、日本のアメリカ大使館を通じてIR-1/CR-1(配偶者移民ビザ)を申請する必要があります。
Q2. I-485申請中に日本に一時帰国できますか?
Advance Parole(AP、渡航許可)を取得することで可能です。I-485と同時にI-131フォームを提出してAPの発行を申請してください。AP未取得のまま出国すると、I-485申請が放棄されたとみなされることがあります。緊急の場合は必ず移民弁護士に相談してください。
Q3. I-485申請中に仕事はできますか?
I-485と同時にI-765(EAD申請)を提出し、EAD(就労許可証)を取得すれば、グリーンカード取得前でも合法的に就労できます。EADは通常3〜7か月で発行されます。EADなしの就労は不法就労となるため、必ず取得してから働き始めてください。
Q4. グリーンカードは最初から10年有効ですか?
K-1ビザから身分調整した場合、結婚から2年未満の時点でグリーンカードが発行されると「条件付き永住権(2年有効)」が付与されます。その後I-751(条件解除申請)を提出・承認されると、10年有効のグリーンカードが発行されます。結婚から2年を超えた時点で発行される場合は最初から10年有効のカードが発行されることもあります。
Q5. 身分調整の申請中に夫婦が別居・離婚した場合はどうなりますか?
離婚または結婚無効(Annulment)が成立した場合、K-1ビザに基づくI-485申請の資格を失います。ただし、DVAWAなど暴力被害者向けの特別措置が適用される場合もあります。離婚の可能性がある場合は、速やかに移民弁護士に相談してください。
Q6. 申請書類の翻訳はどのようにすればよいですか?
USCISは英語以外の書類について認定翻訳者(Certified Translator)による翻訳を要求しています。翻訳者は「この翻訳は私の知る限り正確であり、翻訳者として資格がある」旨の認証文と署名を付ける必要があります。日本語の書類(出生証明書・婚姻証明書等)は必ず認定翻訳者に依頼してください。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、法的アドバイスを構成するものではありません。個別の移民ケースについては、資格を持つ移民弁護士にご相談ください。米国移民法は頻繁に変更されるため、最新情報は必ずUSCIS(uscis.gov)および米国国務省(travel.state.gov)の公式サイトでご確認ください。
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免責事項
この記事は教育目的のみであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な移住やビジネスの決定については、必ず認可された専門家(弁護士、会計士など)にご相談ください。
この記事の監修・執筆者

Daniel Aydin(ダニエル・アイディン)
Plansera AI 創業者 / 法学士・移民法実務家
Daniel Aydin(ダニエル・アイディン)は、AIによる事業計画書作成サービス「Plansera AI」の創業者です。Eastern Mediterranean University 法学部卒(法学士)。米国テキサス州ダラスの移民法律事務所で LegalTech・成長責任者を務め、E-2ビザをはじめとする数多くの移民・起業案件の実務に携わってきました。さらに Gusto(Y Combinator 出身のユニコーン企業)や RemoteTeam.com で国際労務・コンプライアンスの法務コンサルタントを歴任。法律とテクノロジーの両分野の知見を活かし、日本人起業家のアメリカ進出を支援しています。


