LLCを設立してE-2ビザを申請するための要件は何ですか?
LLCを設立してE-2ビザを申請する場合、LLCの設立自体は比較的簡単ですが、E-2ビザの要件を満たす必要があります。事業計画、投資額、雇用創出などが重要になります。

Daniel Aydin監修
Plansera AI 創業者 / 法学士・移民法実務家
回答
LLCを設立してE-2ビザを申請するための要件は何ですか?
LLC(合同会社)を設立することは、米国でビジネスを始める日本人起業家にとって一般的な方法です。しかし、LLCの設立はE-2ビザの取得を保証するものではありません。E-2ビザを取得するには、LLCがE-2ビザの要件を満たす必要があります。この記事では、LLCを設立してE-2ビザを申請するために必要な要件について詳しく解説します。
E-2ビザの主な要件
E-2ビザは、米国と条約を結んでいる国の国民が、米国で事業を投資・運営するために取得できるビザです。E-2ビザの主な要件は以下の通りです。
- 条約国籍: 申請者は、米国と有効な通商航海条約を結んでいる国の国民である必要があります。(日本国籍保持者はこの要件を満たします。)
- 実質的な投資: 投資は「実質的」でなければなりません。明確な金額基準はありませんが、一般的にはビジネスの性質と規模に見合った金額とされます。目安としては5万ドル以上が考えられますが、ビジネスの内容によってはそれ以下の金額でも認められる場合があります。
- 事業の運営: 投資家は、事業を「運営・指揮」する立場にある必要があります。単なる受動的な投資家ではなく、積極的にビジネスに関与する必要があります。
- 限界利益: 投資する事業は、投資家とその家族の生活を支える以上の利益を生み出す必要があります。つまり、事業は米国経済に貢献するものでなければなりません。
- 真正な事業: ペーパーカンパニーや投機的な事業ではなく、実際に活動している事業である必要があります。
- 米国からの出国意思: E-2ビザは非移民ビザであるため、申請者は米国への永住意思がないことを示す必要があります。
LLC設立とE-2ビザの関係
LLCを設立するだけではE-2ビザの要件を満たすことにはなりません。LLCはあくまで事業の形態であり、E-2ビザの審査では、LLCが行う事業そのものが上記の要件を満たしているかどうかが評価されます。具体的には、以下の点が重要になります。
- 事業計画: 詳細な事業計画を作成し、事業の実現可能性、収益性、雇用創出効果などを明確に示す必要があります。
- 投資額の妥当性: 投資額が事業の規模に見合っているか、十分な資金が確保されているかなどを証明する必要があります。
- 事業の運営体制: 投資家が事業を運営・指揮する能力があることを示す必要があります。組織図や職務記述書などを用意すると良いでしょう。
- 雇用創出: E-2ビザの審査では、米国人の雇用を創出することが重視されます。従業員を雇用する予定がある場合は、具体的な雇用計画を示す必要があります。
LLC設立の手順と費用
LLCの設立は比較的簡単に行うことができます。一般的な手順は以下の通りです。
- 会社名の決定: 希望する会社名が使用可能かどうかを、州のウェブサイトで確認します。
- 登録代理人の選任: 登録代理人(Registered Agent)とは、LLCの公式な連絡窓口となる人物または会社のことです。米国に住所を持つ必要があります。
- 定款の作成: 定款(Articles of Organization)を作成し、州に提出します。定款には、会社名、登録代理人の情報、事業目的などを記載します。
- Operating Agreementの作成: Operating Agreementは、LLCの運営方法やメンバーの権利・義務などを定めた契約書です。法律で義務付けられているわけではありませんが、後々のトラブルを避けるために作成することをお勧めします。
- EINの取得: EIN(Employer Identification Number)とは、米国税務署(IRS)が発行する納税者番号のことです。銀行口座の開設や従業員の雇用に必要となります。
LLCの設立費用は州によって異なりますが、一般的には50ドルから500ドル程度です。例えば、テキサス州の場合は300ドルです(2023年時点)。Operating Agreementの作成やEINの取得には、別途費用がかかる場合があります。
参考資料:
- Texas Secretary of State: https://www.sos.state.tx.us/
- IRS: https://www.irs.gov/
日本との税務関係
LLCを設立した場合、米国と日本の両方で税務申告が必要になる場合があります。米国では、LLCの利益に対して連邦税および州税が課税されます。日本では、米国のLLCから得た利益に対して所得税が課税される場合があります。税務上の取り扱いは複雑なため、税理士に相談することをお勧めします。
よくある誤解
- 誤解1: LLCを設立すれば、必ずE-2ビザを取得できる。
- 正しくは: LLCの設立はE-2ビザ取得の必要条件の一つですが、十分条件ではありません。E-2ビザの要件を個別に満たす必要があります。
- 誤解2: 投資額が大きければ、E-2ビザを取得しやすい。
- 正しくは: 投資額は重要な要素ですが、事業の実現可能性や雇用創出効果なども考慮されます。過剰な投資はかえって不審に思われる可能性があります。
- 誤解3: E-2ビザを取得すれば、永住権(グリーンカード)を申請できる。
- 正しくは: E-2ビザは非移民ビザであるため、直接的に永住権につながるわけではありません。ただし、E-2ビザの保有者が永住権を取得するための道はいくつか存在します(例えば、EB-5投資家ビザなど)。
まとめ
LLCを設立してE-2ビザを申請するには、LLCの設立だけでなく、E-2ビザの要件を満たす必要があります。事業計画の作成、十分な投資額の確保、事業の運営体制の構築などが重要になります。税務上の取り扱いも考慮し、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
次のステップ
- 事業計画を作成する: 詳細な事業計画を作成し、事業の実現可能性、収益性、雇用創出効果などを明確に示す。
- 弁護士に相談する: E-2ビザの申請要件や手続きについて、移民法専門の弁護士に相談する。
- 税理士に相談する: 米国と日本の税務上の取り扱いについて、税理士に相談する。
- LLCを設立する: 弁護士や税理士のアドバイスを受けながら、LLCを設立する。
- E-2ビザを申請する: 必要な書類を準備し、米国大使館または領事館にE-2ビザを申請する。
免責事項: この記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。具体的な法的問題については、必ず弁護士にご相談ください。また、ビザの要件は変更される可能性があるため、最新の情報を米国大使館または領事館で確認してください。参考として、USCIS(米国市民権移民局)のウェブサイト(https://www.uscis.gov/)も確認することをお勧めします。
この回答の監修者

Daniel Aydin(ダニエル・アイディン)
Plansera AI 創業者 / 法学士・移民法実務家
Daniel Aydin(ダニエル・アイディン)は、AIによる事業計画書作成サービス「Plansera AI」の創業者です。Eastern Mediterranean University 法学部卒(法学士)。米国テキサス州ダラスの移民法律事務所で LegalTech・成長責任者を務め、E-2ビザをはじめとする数多くの移民・起業案件の実務に携わってきました。さらに Gusto(Y Combinator 出身のユニコーン企業)や RemoteTeam.com で国際労務・コンプライアンスの法務コンサルタントを歴任。法律とテクノロジーの両分野の知見を活かし、日本人起業家のアメリカ進出を支援しています。
免責事項
この回答は教育目的のみであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な移住やビジネスの決定については、必ず認可された専門家(弁護士、会計士など)にご相談ください。情報は執筆時点のものであり、法律や規制は変更される可能性があります。