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移住・生活

アメリカに永住するにはどうすればいいですか?

アメリカに永住するための方法(グリーンカード取得)を解説。家族ベース、雇用ベース、投資家ビザ、DV抽選など取得ルート、条件、費用、処理期間を詳しく説明します。

Q&A

更新 2026年3月15日23 min read

回答

アメリカに永住するにはどうすればいいですか?

アメリカに永住するには、永住権(グリーンカード)を取得する必要があります。グリーンカードの取得方法は大きく分けて家族ベース・雇用ベース・投資家ビザ(EB-5)・DV抽選プログラム・米国市民との結婚の5つのルートがあり、日本人が最も利用するのは雇用ベースとDV抽選の2つです。

グリーンカードとは?永住権の基本

グリーンカード(Permanent Resident Card)は、米国市民権・移民局(USCIS)が発行する永住許可証です。グリーンカード保持者は、アメリカ国内で制限なく居住・就労する権利を持ち、5年後(結婚ベースは3年後)に米国市民権(帰化)を申請できます。

グリーンカードの有効期間は10年間で、期限前にForm I-90を提出して更新します。更新費用は540ドル(2026年現在)です。条件付き永住権(CR-1など)の場合は2年間の有効期限で、期限切れの90日前までにForm I-751で条件解除を申請する必要があります。

グリーンカード取得ルートの全体像

アメリカの永住権取得には、移民国籍法(Immigration and Nationality Act / INA)に基づく複数のカテゴリーが存在します。以下が主な取得ルートの一覧です。

| 取得ルート | 対象者 | 年間発給枠 | 平均処理期間 | 費用目安 | |-----------|--------|-----------|-------------|---------| | 家族ベース(IR/F1〜F4) | 米国市民・永住者の家族 | 約226,000件 | 1〜23年 | $1,200〜$3,000 | | 雇用ベース(EB-1〜EB-3) | 専門職・熟練労働者 | 約140,000件 | 1〜5年 | $2,000〜$15,000 | | 投資家ビザ(EB-5) | 投資家 | 約10,000件 | 2〜4年 | $800,000〜$1,050,000+弁護士費用 | | DV抽選プログラム | 抽選当選者 | 約55,000件 | 1〜2年 | $330〜$1,500 | | 結婚ベース(CR-1/IR-1) | 米国市民の配偶者 | 枠制限なし | 12〜18ヶ月 | $1,200〜$2,500 |

家族ベースのグリーンカード(Family-Based Immigration)

家族ベースのグリーンカードは、米国市民または永住者の家族が申請できるカテゴリーです。米国市民の近親者(Immediate Relative: 配偶者・未婚の21歳未満の子・親)には年間発給枠の制限がなく、最も早く処理されます。

家族ベースには以下の優先カテゴリーがあります。

  • IR(近親者): 米国市民の配偶者・親・21歳未満の未婚の子。枠制限なし。処理期間12〜18ヶ月
  • F1: 米国市民の21歳以上の未婚の子。年間約23,400件。待機期間7〜10年
  • F2A: 永住者の配偶者・21歳未満の未婚の子。年間約87,900件。待機期間2〜5年
  • F2B: 永住者の21歳以上の未婚の子。年間約26,300件。待機期間10〜15年
  • F3: 米国市民の既婚の子。年間約23,400件。待機期間15〜20年
  • F4: 米国市民の兄弟姉妹。年間約65,000件。待機期間15〜23年

日本人の場合、国別の待機期間は比較的短い傾向にありますが、F3・F4カテゴリーでは15年以上の待機が発生することがあります。

雇用ベースのグリーンカード(Employment-Based Immigration)

雇用ベースのグリーンカードは、米国企業にスポンサーされた労働者が取得するカテゴリーです。年間約140,000件の発給枠があり、EB-1からEB-5までの5つの優先カテゴリーに分かれています。

EB-1(第一優先):卓越した能力を持つ人材

EB-1カテゴリーは、PERM労働認定(Labor Certification)が不要で、最も処理が早い雇用ベースのグリーンカードです。EB-1には3つのサブカテゴリーがあります。

  • EB-1A(卓越した能力): 科学・芸術・教育・ビジネス・スポーツ分野で国際的に認められた業績を持つ人。自己申請(Self-Petition)が可能。ノーベル賞やオリンピックメダルなどの実績、または10項目中3項目以上の基準を満たすことが必要
  • EB-1B(著名な教授・研究者): 学術分野で国際的に認められた教授・研究者。3年以上の教育・研究経験が必要。米国の大学または研究機関からのオファーが必要
  • EB-1C(多国籍企業の管理職・役員): 海外の関連企業で過去3年中1年以上管理職として勤務し、米国の関連企業に転勤する管理職・役員

EB-1の処理期間は、日本人の場合通常12〜18ヶ月です。プレミアム処理(Form I-907)を利用すれば、I-140の審査は15営業日以内に完了し、費用は2,805ドルです。

EB-2(第二優先):高学歴専門職

EB-2カテゴリーは、修士号以上の学位を持つ専門職、または学士号+5年以上の実務経験を持つ人が対象です。EB-2には以下のサブカテゴリーがあります。

  • EB-2A(高学歴専門職): 修士号以上、または学士号+5年以上の経験。雇用主のスポンサーとPERM労働認定が必要
  • EB-2B(例外的な能力): 科学・芸術・ビジネスの分野で例外的な能力を持つ人。6つの基準中3つ以上を満たすことが必要
  • EB-2 NIW(国益免除): 米国の国益に資する人材。雇用主のスポンサーとPERM労働認定が不要で、自己申請が可能。「Dhanasar」3要件テストを満たすことが必要

EB-2の処理期間は、PERM認定に6〜12ヶ月、I-140審査に6〜12ヶ月、I-485審査(またはコンシュラープロセス)に6〜18ヶ月かかり、合計で約2〜3年が目安です。

EB-3(第三優先):熟練労働者・専門職

EB-3カテゴリーは、学士号を持つ専門職、2年以上の経験を持つ熟練労働者、および非熟練労働者が対象です。雇用主のスポンサーとPERM労働認定が必須で、処理期間は約3〜5年が目安です。

  • EB-3A(専門職): 学士号以上の学歴が必要な職種
  • EB-3B(熟練労働者): 2年以上の訓練・経験が必要な職種
  • EB-3C(非熟練労働者): 2年未満の経験で就ける職種。年間発給枠が約10,000件と少ないため待機期間が長い

EB-4(第四優先):特別移民

EB-4カテゴリーは、宗教関係者、米軍通訳、国際機関職員など特別なカテゴリーの移民が対象です。日本人が利用するケースは少ないですが、米軍関連で勤務する日本人が対象となる場合があります。

EB-5(第五優先):投資家ビザ

EB-5投資家ビザプログラムは、米国の事業に一定額以上を投資し、10名以上のフルタイム雇用を創出することでグリーンカードを取得する方法です。EB-5には2つの投資ルートがあります。

  • 直接投資(Direct EB-5): 投資家が自ら事業を設立・運営。最低投資額は105万ドル(TEA地域は80万ドル)。投資家本人が事業運営に関与する必要がある
  • 地域センター(Regional Center): USCISが認定した地域センターを通じた投資。間接雇用もカウント可能。2022年EB-5改革・誠実法(EB-5 Reform and Integrity Act)により再認可済み。農村部・高失業率地域・インフラプロジェクトへの投資は、ビザ発給枠の優先割当あり

EB-5の処理期間は、I-526E申請から条件付きグリーンカード取得まで約24〜48ヶ月です。2年後にForm I-829を提出して条件を解除し、正式な永住権を取得します。

DV抽選プログラム(Diversity Visa Lottery)

DV抽選プログラム(多様化移民ビザ抽選)は、移民送出率が低い国の出身者を対象に、年間約55,000件のグリーンカードを抽選で発給する制度です。日本人はDV抽選の対象国に含まれており、毎年応募が可能です。

DV抽選の応募条件は以下のとおりです。

  • 国籍要件: 過去5年間に米国への移民送出数が50,000人を超えない国の出身者。日本は対象国
  • 学歴要件: 高校卒業以上、または過去5年以内に2年以上の職業訓練・経験があること
  • 応募期間: 毎年10月〜11月の約1ヶ月間。応募はオンライン(dvprogram.state.gov)で無料
  • 当選確率: 日本人の当選確率は例年約0.5〜1.0%(応募者数により変動)

DV抽選に当選した場合、当選通知から約12〜18ヶ月でグリーンカードを取得できます。DS-260ビザ申請書の提出、身体検査、在日米国大使館での面接が必要です。DV抽選のビザ申請費用は$330(移民ビザ申請料)+$220(USCIS移民手数料)で、合計約$550です。

結婚ベースのグリーンカード

米国市民との結婚は、グリーンカード取得の最も一般的な方法の一つです。米国市民の配偶者は、Immediate Relative(近親者)カテゴリーに分類され、年間発給枠の制限がありません。

結婚から2年未満でグリーンカードを取得した場合、条件付き永住権(CR-1)が付与されます。条件付き永住権の有効期間は2年間で、期限切れの90日前からForm I-751(条件解除申請)を提出します。結婚から2年以上経過して申請した場合は、10年有効の正式なグリーンカード(IR-1)が発行されます。

結婚ベースのグリーンカードの費用は、Form I-130(535ドル)+Form I-485(1,140ドル)+身体検査(約200〜500ドル)で、合計約1,875〜2,175ドルです。弁護士を利用する場合は別途1,500〜5,000ドルの弁護士費用がかかります。

取得ルート別の難易度比較

グリーンカード取得の難易度は、申請者の状況(学歴・職歴・家族関係・資金力)によって大きく異なります。以下は日本人申請者を基準とした一般的な難易度の目安です。

| 取得ルート | 難易度 | 主な要件 | 日本人の利用しやすさ | |-----------|--------|---------|-------------------| | 結婚ベース(IR-1/CR-1) | ★★☆☆☆ | 米国市民の配偶者であること | 米国市民の配偶者がいれば最も確実 | | DV抽選 | ★☆☆☆☆(応募)/ 運次第 | 高校卒業以上 | 応募は簡単だが当選確率は低い | | EB-1A(卓越した能力) | ★★★★☆ | 国際的な業績の証明 | 研究者・芸術家に有利 | | EB-2 NIW(国益免除) | ★★★★☆ | 国益に資する業績の証明 | STEM分野の専門家に有利 | | EB-2/EB-3(雇用ベース) | ★★★☆☆ | 米国企業のスポンサー+PERM | 企業勤務者の王道ルート | | EB-5(投資家ビザ) | ★★☆☆☆(資金力次第) | 80万〜105万ドルの投資 | 資金力があれば確実性が高い | | 家族ベース(F1〜F4) | ★★☆☆☆ | 米国市民・永住者の家族 | 待機期間が非常に長い |

グリーンカード維持の条件

グリーンカードを取得した後も、永住権を維持するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。最も重要なのは、アメリカでの継続的な居住(Continuous Residence)です。

米国外への長期渡航に関する注意点

グリーンカード保持者が米国外に6ヶ月以上滞在すると、帰国時に入国審査官から永住の意思を疑問視される可能性があります。1年以上米国外に滞在した場合、グリーンカードは無効とみなされることがあります。

長期の海外渡航が必要な場合は、出国前にForm I-131で**再入国許可証(Re-entry Permit)**を申請します。再入国許可証の有効期間は最長2年間で、申請費用は630ドルです。再入国許可証があれば、最長2年間米国外に滞在してもグリーンカードの有効性が維持されます。

永住権放棄のリスク

以下の行為は、永住権の放棄とみなされる場合があります。

  • 米国外に1年以上連続して滞在する(再入国許可証なしの場合)
  • 米国の税務申告を怠る
  • 他国で永住者として居住する
  • Form I-407(永住権放棄書)を提出する

グリーンカードと米国市民権の比較

グリーンカード(永住権)と米国市民権(Citizenship / Naturalization)は異なる法的地位です。グリーンカード保持者は永住権を得た後、一定の条件を満たせば帰化申請が可能です。

| 項目 | グリーンカード(永住権) | 米国市民権(帰化) | |------|----------------------|------------------| | 居住権 | 無制限で居住・就労可能 | 無制限で居住・就労可能 | | 選挙権 | なし | あり(連邦・州・地方選挙) | | 米国パスポート | 取得不可 | 取得可能 | | 国外滞在の制限 | 6ヶ月以上で永住権リスク | 制限なし | | 強制退去の可能性 | あり(重罪など) | 原則なし | | 連邦政府職への就職 | 一部制限あり | 制限なし | | 家族の呼び寄せ | 配偶者・未婚の子のみ | 配偶者・子・親・兄弟姉妹 | | 申請条件 | カテゴリーにより異なる | 永住権取得後5年(結婚は3年)+居住要件 | | 帰化申請費用 | — | $760(2026年現在) | | 日本国籍 | 維持可能 | 日本の国籍法上、日本国籍を喪失する |

グリーンカード保持者が帰化申請するには、永住権取得後5年間(米国市民の配偶者は3年間)のうち少なくとも30ヶ月(配偶者は18ヶ月)米国に物理的に滞在し、良好な道徳的品性(Good Moral Character)を有し、英語および市民権テストに合格する必要があります。

よくある質問(FAQ)

グリーンカードの申請にはどのくらいの費用がかかりますか?

グリーンカードの申請費用は取得ルートによって大きく異なります。DV抽選の場合は約550ドル、結婚ベースは約1,875〜2,175ドル、雇用ベース(EB-2/EB-3)は雇用主負担分を含めて約2,000〜15,000ドル、EB-5投資家ビザは最低投資額80万〜105万ドルに加えて弁護士費用1万5,000〜5万ドルが必要です。いずれの場合も身体検査費用(約200〜500ドル)が別途かかります。

日本人がグリーンカードを取得する最も現実的な方法は何ですか?

日本人がグリーンカードを取得する最も現実的な方法は、雇用ベース(EB-2/EB-3)とDV抽選プログラムの2つです。雇用ベースは米国企業で働いている場合にスポンサーを得て申請する王道ルートで、処理期間は約2〜5年です。DV抽選は毎年無料で応募でき、当選すれば1〜2年でグリーンカードを取得できますが、当選確率は0.5〜1.0%と低いため、補助的な手段として位置づけるのが現実的です。

PERM労働認定(Labor Certification)とは何ですか?

PERM労働認定は、雇用ベースのグリーンカード(EB-2A・EB-3)を申請する際に必要な手続きで、米国人労働者の雇用機会を保護するための制度です。雇用主は米国労働省(DOL)に対して、当該ポジションに適格な米国人労働者が見つからなかったことを証明する必要があります。PERM認定の処理期間は通常6〜12ヶ月で、費用は雇用主が負担します。EB-1、EB-2 NIW、EB-5はPERM労働認定が不要です。

グリーンカードを持っていても日本国籍は維持できますか?

グリーンカード(永住権)を保持しても、日本国籍は維持できます。グリーンカードは米国での永住許可であり、米国市民権(帰化)とは異なります。ただし、米国市民権を取得(帰化)した場合は、日本の国籍法第11条により日本国籍を自動的に喪失します。グリーンカード保持の段階では、日本のパスポートの更新や日本への渡航に制限はありません。

DV抽選プログラムにはどうやって応募しますか?

DV抽選プログラムへの応募は、毎年10月〜11月頃にdvprogram.state.govで受け付けられます。応募は無料で、オンラインフォームに個人情報・学歴・顔写真を入力するだけです。応募期間は約30〜45日間と短いため、公式サイトで正確な日程を確認してください。当選結果は翌年5月にEntrant Status Checkで確認できます。代行業者を利用する必要はなく、自分で直接応募できます。

EB-2 NIW(国益免除)は自分で申請できますか?

EB-2 NIW(National Interest Waiver)は、雇用主のスポンサーなしで自己申請(Self-Petition)が可能な数少ないグリーンカードカテゴリーです。申請者は「Matter of Dhanasar」判例で示された3つの要件、すなわち(1)提案する事業が実質的なメリットと国家的重要性を持つこと、(2)申請者がその事業を推進する適切な立場にあること、(3)労働認定を免除することが米国の国益にかなうことを証明する必要があります。STEM分野の研究者・エンジニア・医療従事者の申請が多く、弁護士費用の目安は5,000〜15,000ドルです。

グリーンカード取得後に日本に長期帰国できますか?

グリーンカード保持者は、6ヶ月を超える米国外滞在を繰り返すと永住の意思を疑問視されるリスクがあります。1年以上米国外に滞在する予定がある場合は、出国前にForm I-131で再入国許可証(Re-entry Permit)を申請してください。再入国許可証の有効期間は最長2年間で、申請費用は630ドルです。再入国許可証なしで1年以上米国を離れた場合、帰国時にグリーンカードが無効とされ、SB-1帰国居住者ビザの申請が必要になる場合があります。

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免責事項

この回答は教育目的のみであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な移住やビジネスの決定については、必ず認可された専門家(弁護士、会計士など)にご相談ください。情報は執筆時点のものであり、法律や規制は変更される可能性があります。

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