家族移民の優先日とグリーンカード待機期間を完全解説【2026年版】
家族移民の優先日(Priority Date)とは何か、どう確認するか、グリーンカード申請に進めるタイミングを、日本人向けにわかりやすく解説します。2026年最新のビザ公報データ付き。

Daniel Aydin
Plansera AI 創業者 / 法学士・移民法実務家

家族移民の優先日とグリーンカード待機期間を完全解説【2026年版】
米国市民権者または永住権者(グリーンカード保持者)の家族として米国永住権(グリーンカード)を申請する場合、「優先日(Priority Date)」という概念を正確に理解することが不可欠です。優先日とは、スポンサーがI-130請願書をUSCISに提出した日付のことで、この日付と毎月発表される「ビザ公報(Visa Bulletin)」の数字を照合することで、グリーンカード申請に進めるタイミングが決まります。本記事では、家族移民の優先日の仕組み、待機期間の現実、そして申請を効率的に進める方法を2026年の最新データとともに徹底解説します。
1. 優先日(Priority Date)とは何か
優先日の基本的な定義
優先日(Priority Date)とは、スポンサー(請願者)がUSCIS(米国市民権移民サービス局)に**I-130申請書(Petition for Alien Relative)**を提出した日付のことです。この日付が、家族移民カテゴリーにおける「順番待ちリストの受付番号」として機能します。
グリーンカード(永住権)には年間発行数の上限があり、需要が上限を超えるカテゴリーでは待機が発生します。出身国や家族関係のカテゴリーによって、この待機期間は数ヶ月から数十年にわたることがあります。
なぜ優先日が重要なのか
優先日が「現在(Current)」状態になるまで、最終的なグリーンカード申請(移民ビザの発給またはI-485調整申請)は手続きを進めることができません。優先日を理解していないと:
- グリーンカード申請の見込み時期が把握できない
- 在米の場合、ステータス維持の計画が立てられない
- 家族計画・就労計画に支障をきたす
2. 家族移民のカテゴリーと優先日の関係
家族移民の種類:即時相対(IR)と優先カテゴリー(F系)
家族移民は大きく2種類に分かれます。
| カテゴリー | 対象者 | 優先日の適用 |
|---|---|---|
| 即時相対(Immediate Relatives / IR) | 米国市民の配偶者・21歳未満の未婚子・親 | なし(無制限発行) |
| F1(家族優先第1カテゴリー) | 米国市民の21歳以上の未婚子 | あり |
| F2A(家族優先第2Aカテゴリー) | 永住権者の配偶者・21歳未満の未婚子 | あり |
| F2B(家族優先第2Bカテゴリー) | 永住権者の21歳以上の未婚子 | あり |
| F3(家族優先第3カテゴリー) | 米国市民の既婚子(年齢不問) | あり |
| F4(家族優先第4カテゴリー) | 米国市民の兄弟姉妹 | あり |
日本人に最も関係が深いのは:
- IR(即時相対):米国市民と結婚した日本人 → 優先日なし、比較的短期間で取得可能
- F2A:米国永住権者と結婚した日本人 → 優先日あり、待機が発生
米国市民の配偶者(IR)の場合
米国市民(USC)の配偶者として申請する場合は「即時相対(Immediate Relative)」に分類され、ビザ数に上限がありません。このため、優先日の待機は発生しません。手続きの流れは:
- スポンサー(米国市民)がI-130を提出
- I-130承認後、移民ビザ(IR-1/CR-1)またはI-485調整申請へ進む
- 待機期間:通常8〜18ヶ月程度(USCISの処理状況による)
詳細は「結婚によるグリーンカード取得」もあわせてご参照ください。
米国永住権者の配偶者(F2A)の場合
米国永住権者(LPR)の配偶者として申請する場合はF2Aカテゴリーとなり、優先日と待機期間が発生します。日本はほとんどの場合「全世界(All Chargeability Areas)」と同じ扱いのため、出身国による特別な遅延は少ないですが、カテゴリー自体の需要で待機が生じます。
3. ビザ公報(Visa Bulletin)の読み方
ビザ公報とは
ビザ公報(Visa Bulletin)は、米国国務省(U.S. Department of State)が毎月発行する公式文書です。各移民カテゴリーの「最終行動日(Final Action Date)」と「申請可能日(Dates for Filing)」が記載されており、どの優先日を持つ申請者が今月グリーンカード申請に進めるかを示します。
「最終行動日」と「申請可能日」の違い
| 項目 | 内容 | 意味 |
|---|---|---|
| 最終行動日(Final Action Dates) | グリーンカード(永住権)が実際に発行される基準日 | この日付より前の優先日 = グリーンカード取得可能 |
| 申請可能日(Dates for Filing) | 最終申請書類(I-485またはDS-260)の提出が許可される基準日 | USCISがこのチャートを使用すると発表した月のみ有効 |
実務上のポイント:
- USCISが毎月「申請可能日」チャートを使用するかどうかを公表します
- 「申請可能日」チャートが使用可能な月は、最終行動日より早い段階でI-485を提出できるため、EAD(就労許可)やAdvance Paroleの申請が早まります
2026年のF2Aカテゴリー待機状況
2026年現在、F2A(永住権者の配偶者・未成年子)カテゴリーの最終行動日は概ね以下の推移を見せています(国務省の最新ビザ公報を必ずご確認ください):
| 出身国 | 2026年の状況 |
|---|---|
| 日本(全世界) | 2〜3年程度の待機が一般的 |
| メキシコ | より長い待機期間 |
| フィリピン | より長い待機期間 |
| 中国・インド | より長い待機期間 |
※ 実際の待機期間は国務省の毎月の公報で変動します。必ず最新情報をご確認ください。
4. 優先日の確認方法:ステップバイステップ
ステップ1:自分の優先日を確認する
優先日は**I-797(Notice of Action)**に記載されています。I-797はI-130が受理された際にUSCISから郵送される受理通知書です。
- 「Priority Date」欄に記載の日付が優先日です
- 受理日(Receipt Date)ではなく、記載の優先日を使用してください
ステップ2:最新のビザ公報を確認する
国務省のウェブサイト(travel.state.gov)で最新月のビザ公報をダウンロード。
ステップ3:チャートを照合する
- 自分の家族カテゴリー(F1/F2A/F2B/F3/F4)を確認
- 自分の出身国の列を確認(日本人は多くの場合「All Chargeability Areas」の列)
- 掲載されている日付と自分の優先日を比較
判断基準:
- 自分の優先日 < チャートの日付 → グリーンカード申請に進める(Current)
- 自分の優先日 > チャートの日付 → まだ順番が来ていない(待機中)
- チャートが「C(Current)」 → カテゴリー全体が現在利用可能
ステップ4:進捗をトラッキングする
国務省のビザ優先日チェッカーや、USCIS公式ポータルのケースステータスページで定期的に確認してください。
5. 実際の申請手続きの流れ
国内調整申請(I-485)の場合
すでに合法的に米国内に滞在している場合、優先日が「Current」になれば国内でI-485(移民ステータス調整申請)を提出できます。
主要フォームと費用(2026年現在):
| フォーム | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| I-130 | 家族請願 | $675 |
| I-485 | 移民ステータス調整 | $1,440(18歳以上) |
| I-864 | 扶養保証宣誓書 | 無料 |
| I-131 | 渡航許可(Advance Parole) | I-485と同時提出なら無料 |
| I-765 | 就労許可(EAD) | I-485と同時提出なら無料 |
※ 費用はUSCIS(uscis.gov/fees)で最新情報を確認してください。
海外からの領事手続きの場合
米国外に居住している場合、または優先日が到達した後に移民ビザを通じてグリーンカードを取得する場合は、**国家ビザセンター(NVC)**を経由した領事手続きになります。
領事手続きの主な流れ:
- I-130承認 → USCIS → NVCに転送(数週間〜数ヶ月)
- NVC手続き → 手数料支払い、DS-260オンライン申請、書類提出
- 在日米国大使館・領事館での移民ビザ面接
- 米国入国 → 入国と同時にグリーンカードが「発効」
- グリーンカード郵送 → 通常入国後2〜3週間以内
NVC手続き費用(2026年):
- 移民ビザ申請料:$325(申請者1名あたり)
- 扶養保証宣誓書審査料:$120
日本での申請は在東京米国大使館または在大阪・神戸米国総領事館で行います。詳細は在日米国大使館の公式サイトをご確認ください。
6. 待機期間中にできること・注意点
待機期間中のステータス維持
F2Aカテゴリーで待機中の場合、スポンサー(永住権者の配偶者)は米国内に合法的なステータスを維持し続ける必要があります。一般的なオプション:
- 現在のビザステータス維持(就労ビザ、学生ビザなど)
- B-2観光ビザ(ビジターとして) — 長期間の滞在には適しません
- K-3ビザ — 米国市民の配偶者向け(現在はほぼ使われていない)
子供の「年齢固定(CSPA)」ルール
子供が21歳になるとカテゴリーが変わる可能性がありますが、**CSPA(Child Status Protection Act)**により、優先日計算において年齢が「固定」されることがあります。詳細は移民弁護士にご相談ください。
結婚による自動的なカテゴリー変更
永住権者が米国市民権を取得した場合、F2Aカテゴリーの配偶者は自動的に「即時相対(IR)」に昇格します。これにより優先日の待機が不要になり、手続きが大幅に加速します。
7. 優先日に関するよくある誤解
誤解1:I-130が承認されればすぐグリーンカードが取れる
I-130の承認は「家族関係の確認」に過ぎません。特にF系カテゴリーでは、承認後も優先日が「Current」になるまでグリーンカードの最終申請はできません。
誤解2:優先日は動かない
優先日は毎月変動します。一般的には少しずつ前進しますが、特定の月に「後退(Retrogression)」することもあります。これは、その月にビザ枠を使い切ってしまったために翌月以降の基準日を引き下げる現象です。
誤解3:日本人は待機が少ない
日本は過需要国(Oversubscribed Country)には指定されていないため、中国・インド・メキシコ・フィリピンよりは待機が短い傾向があります。しかし、F4(兄弟姉妹)など人気カテゴリーでは日本人でも10年以上待機が発生する場合があります。
8. 実践的なアドバイス:待機期間を短くするために
ポイント1:早期にI-130を提出する
優先日はI-130の受理日に確定します。スポンサーがグリーンカード保持者の場合でも、できるだけ早くI-130を提出することが、最終的な待機を短縮する唯一の方法です。
ポイント2:スポンサーの市民権取得を検討する
永住権者のスポンサーが米国市民権を取得すれば、配偶者と21歳未満の子供はIRカテゴリーに昇格し、優先日待機がなくなります。市民権申請要件(通常5年居住、3年居住の例外あり)を満たしていれば早期に検討する価値があります。
ポイント3:移民弁護士との連携
優先日の計算、CSPAルール、カテゴリー変更の可否など、個別状況によって判断が複雑になります。移民弁護士への相談を早期に行うことで、手続きの遅延を防げます。
ポイント4:NVC手続きを迅速に完了させる
優先日が到達してNVCに転送された後、書類提出や手数料支払いに遅延があると、面接のスケジューリングが先送りになります。NVCからの通知には速やかに対応することが重要です。
9. 家族移民グリーンカードのFAQ
Q1:I-130を提出したら必ず優先日はもらえますか?
はい。USCISがI-130を受理した日付が優先日として記録されます。ただし、即時相対(米国市民の配偶者など)の場合は優先日の概念が適用されないため、承認次第すぐに次のステップに進めます。
Q2:優先日はオンラインで確認できますか?
優先日はI-797受理通知書に記載されています。また、USCIS公式ポータル(my.uscis.gov)でケースステータスを確認することができます。毎月の最終行動日は国務省ビザ公報(travel.state.gov)で公開されます。
Q3:F2Aカテゴリーの現在の待機期間はどのくらいですか?
2026年6月時点では、全世界(日本を含む)のF2Aカテゴリーは2〜3年程度の待機が目安ですが、毎月変動します。必ず最新のビザ公報を確認してください。なお、カテゴリーが「C(Current)」と表示されている月は、すべての優先日が対象です。
Q4:優先日が後退(Retrogression)した場合はどうなりますか?
すでにI-485を提出済みの場合は、申請書は保留(Pending)のまま維持されます。まだ申請していない場合は、再度優先日が到達するまで待機する必要があります。後退は比較的まれですが、特にビザ年度末(9月)前後に発生しやすい傾向があります。
Q5:在米中に優先日を待つ間、就労することはできますか?
F2Aカテゴリーで待機中にI-485を提出できる状況であれば、I-765(EAD)を申請して就労許可を得ることができます。ただし、I-485の提出には優先日が「申請可能日(Dates for Filing)」チャートで到達している必要があります。I-485を提出する前の段階では、別途就労ビザが必要です。
Q6:兄弟姉妹(F4カテゴリー)の待機期間はどのくらいですか?
F4カテゴリー(米国市民の兄弟姉妹)は最も待機が長いカテゴリーの一つです。日本(全世界扱い)でも現在10年以上の待機が発生しているケースがあります。フィリピンや一部の国ではさらに長期になります。早期の請願書提出と移民弁護士との長期計画が重要です。
まとめ
家族移民の優先日とグリーンカード待機期間は、日本人移民にとって最も重要な理解すべきポイントの一つです。
重要ポイントの整理:
- 米国市民の配偶者(IR) → 優先日なし、比較的迅速
- 永住権者の配偶者(F2A) → 優先日あり、2〜3年程度の待機
- ビザ公報は毎月更新 → 定期的なモニタリングが必須
- I-130はできるだけ早く提出 → 優先日を早める唯一の方法
- スポンサーの市民権取得 → カテゴリー昇格で待機ゼロに
グリーンカード申請は複雑な手続きの連続です。個別状況に応じた適切なアドバイスのために、経験豊富な米国移民弁護士への相談を強くお勧めします。また、USCISの公式処理時間ページと国務省のビザ公報を定期的に確認し、最新情報をもとに計画を立ててください。
本記事の情報は2026年6月時点のものです。移民法は頻繁に変更されるため、最新の正確な情報はUSCIS(uscis.gov)および米国国務省(travel.state.gov)の公式サイトでご確認ください。
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免責事項
この記事は教育目的のみであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な移住やビジネスの決定については、必ず認可された専門家(弁護士、会計士など)にご相談ください。
この記事の監修・執筆者

Daniel Aydin(ダニエル・アイディン)
Plansera AI 創業者 / 法学士・移民法実務家
Daniel Aydin(ダニエル・アイディン)は、AIによる事業計画書作成サービス「Plansera AI」の創業者です。Eastern Mediterranean University 法学部卒(法学士)。米国テキサス州ダラスの移民法律事務所で LegalTech・成長責任者を務め、E-2ビザをはじめとする数多くの移民・起業案件の実務に携わってきました。さらに Gusto(Y Combinator 出身のユニコーン企業)や RemoteTeam.com で国際労務・コンプライアンスの法務コンサルタントを歴任。法律とテクノロジーの両分野の知見を活かし、日本人起業家のアメリカ進出を支援しています。


