H-1Bビザ完全ガイド|申請条件・抽選・費用・グリーンカードへの道【2026年最新】
H-1Bビザの申請条件、抽選制度、費用、グリーンカードへのステップを2026年最新情報で徹底解説。アメリカで専門職として働くためのH-1Bビザ完全ガイドです。
Nippon to USA 編集部

h1b
H-1Bビザは、アメリカで専門職として働くための代表的な就労ビザです。IT、エンジニアリング、会計、建築、科学研究など、学士号以上が求められる職種(Specialty Occupation)で、米国の雇用主がスポンサーとなって外国人を雇用する際に使われます。年間の発給枠が限られていて抽選制度があるため、取得の難易度が高いビザとしても知られています。
この記事では、2026年3月時点の最新情報をもとに、H-1Bビザの申請条件、抽選プロセス、必要書類、費用、グリーンカードへの道筋まで、日本人向けにまるごと解説しています。USCIS(米国市民権・移民業務局)、米国労働省、在日米国大使館の公式情報がベースです。
本記事の情報源: USCIS公式サイト(uscis.gov)、米国労働省(dol.gov)、在日米国大使館(jp.usembassy.gov)。最終確認日: 2026年3月14日。
H-1Bビザとは?専門職向け就労ビザの基本
H-1Bビザは、米国移民国籍法(INA)第101条(a)(15)(H)(i)(b)に規定された非移民就労ビザです。正式には「Specialty Occupation(専門職)」向けのビザで、その職務を遂行するために特定分野の学士号以上の学位が通常必要とされる仕事に適用されます。
ポイントを整理すると、こうなります。
| 項目 | 内容 | | :--- | :--- | | ビザの種類 | 非移民就労ビザ(一時滞在) | | 対象職種 | Specialty Occupation(IT、エンジニア、会計士、建築家、科学者、医師など) | | スポンサー | 米国の雇用主(個人申請は不可) | | 必要学歴 | 学士号以上(または同等の実務経験) | | 初期滞在期間 | 最大3年 | | 最大滞在期間 | 通常6年(条件次第で延長可能) | | 配偶者・子供 | H-4ビザで同行可能 | | 年間発給枠 | 65,000件(通常枠)+ 20,000件(米国修士号以上枠) |
「Specialty Occupation」とは何かをもう少し具体的に言うと、USCISは次の4つの基準のうち少なくとも1つを満たす職種と定義しています。
- その職種に就くには、特定の専門分野の学士号以上が通常必要とされる
- その業界では同等の職種で学位要件が一般的である、または職務が非常に専門的・複雑で学位レベルの知識が必要
- 雇用主がその職種に対して通常、学士号以上を要求している
- 職務の性質が非常に専門的で、学士号以上の知識なしには遂行できない
つまり、単に「学位があればOK」ではなく、その仕事自体が学位レベルの専門性を必要とすることが大前提です。
H-1Bビザの申請条件:雇用主と申請者それぞれの要件
H-1Bビザは、個人が自分で申請するものではありません。必ず**米国の雇用主(スポンサー企業)**がペティショナー(申請者)となり、外国人労働者をベネフィシャリー(受益者)として申請する形になります。
雇用主側の条件
1. Specialty Occupationのポジションを提供すること
雇用主は、学士号以上が必要とされる専門職のポジションを実際に持っている必要があります。「とりあえずビザのためにポジションを作った」では通りません。USCISは職務内容を厳しく審査します。
2. Prevailing Wage(一般的な賃金水準)以上の給与を支払うこと
米国労働省が定める地域・職種ごとの一般的な賃金水準(Prevailing Wage)以上の給与を提示する必要があります。これはH-1B労働者を安価な労働力として使うことを防ぐための制度です。
3. LCA(Labor Condition Application)を労働省に提出・承認を得ること
雇用主は労働省にLCAを提出し、以下を宣誓します。
- H-1B労働者にPrevailing Wage以上を支払う
- H-1B労働者の雇用が同職場の米国人労働者の労働条件に悪影響を与えない
- ストライキやロックアウト中ではない
- 雇用条件に関する通知を職場に掲示した
申請者(外国人労働者)側の条件
1. 学士号以上の学位
職務に関連する分野の学士号(Bachelor's Degree)以上が必要です。日本の4年制大学の学位も認められます。ただし、USCISに認められるには学歴評価機関(NACES加盟機関など)による学位評価(Credential Evaluation)が必要です。
2. 学位の代替:実務経験による同等性
学士号がない場合でも、専門分野での3年の実務経験=大学1年分として換算できます。つまり、12年の関連実務経験があれば学士号と同等とみなされる可能性があります。ただし、この方法での申請はRFE(追加証拠要求)の対象になりやすいのが実情です。
3. 職種に必要なライセンス
医師、弁護士、公認会計士など、州法で資格が必要な職種に就く場合は、該当するライセンスを持っているか、取得予定であることが求められます。
アメリカの就労ビザ全般の条件について知りたい方は、アメリカ就労ビザの種類と条件の完全ガイドもあわせてご覧ください。
H-1Bの年間発給枠(Cap)と抽選制度
H-1Bビザの取得が難しい最大の理由が、この**年間発給枠(Cap)**の存在です。
発給枠の内訳
| 枠 | 件数 | 対象 | | :--- | :--- | :--- | | 通常枠(Regular Cap) | 65,000件 | 一般の申請者 | | 米国修士号枠(Master's Cap) | 20,000件 | 米国の大学院で修士号以上を取得した申請者 | | 合計 | 85,000件 | — |
ただし、以下に該当する場合はCap免除(Cap-Exempt)となり、抽選なしで申請できます。
- 高等教育機関(大学・大学院)で雇用される場合
- 大学に関連する非営利研究機関で雇用される場合
- 政府の研究機関で雇用される場合
- 非営利の研究組織で雇用される場合
抽選(Lottery)の仕組み
毎年、H-1B Capの対象となる申請数は発給枠をはるかに超えています。FY2025では約780,884件の登録に対して枠は85,000件——つまり当選率は約11%でした。この競争率の高さが、H-1Bビザを「宝くじ」と呼ばれる所以です。
抽選の流れは以下の通りです。
- 電子登録期間(毎年3月): 雇用主がUSCISのオンラインシステムでベネフィシャリー(外国人労働者)の情報を登録し、登録料**$215**(FY2026から値上げ)を支払う
- 抽選実施: 登録期間終了後、USCISがコンピューターによるランダム選考を実施
- 結果通知: 当選者の雇用主にオンラインで通知(通常3月下旬〜4月上旬)
- I-129申請: 当選した雇用主のみが90日以内にI-129請願書を提出可能
二段階抽選のメカニズム
抽選は2段階で行われます。
第1段階: すべての登録者(通常枠+修士号枠)を対象に65,000件を選考 第2段階: 第1段階で落選した修士号枠の対象者のみを対象に、追加で20,000件を選考
つまり、米国の修士号以上を持っている人は2回抽選のチャンスがあるということです。
FY2026・FY2027 H-1B抽選の最新変更点
USCISは近年、H-1B抽選制度に大きな変更を加えています。日本人の申請者にとっても重要なポイントなので、しっかり押さえておきましょう。
ベネフィシャリー中心ルール(Beneficiary-Centric Selection)
FY2025から施行された最も大きな変更がこれです。
| 旧ルール | 新ルール | | :--- | :--- | | 雇用主ごとに登録=同一人物が複数エントリー可能 | 1人のベネフィシャリー=1エントリー | | 複数企業から登録→当選確率UP | 複数企業から登録しても当選確率は変わらない | | 不正な複数登録が横行 | パスポート番号で重複排除 |
この変更の背景には、一部の申請者がコンサルティング企業や関連会社を通じて複数登録し、不当に当選確率を上げていた問題がありました。新ルールでは、パスポート番号と生年月日で個人を特定するため、何社から登録されても1人1回の抽選チャンスに統一されています。
給与ベース選考(Salary-Based Selection)の議論
トランプ政権下で一時提案された給与水準に基づく選考方式——つまり高給の申請者から優先的に選ぶ方式——は、2026年3月時点ではまだ正式に導入されていません。
ただし、この案は完全に消えたわけではなく、今後のルール改定で復活する可能性があります。もし導入されれば、エントリーレベル(Level 1 Wage)の職種は不利になり、経験豊富で高給のポジションが優遇されることになります。
FY2027の注目点
2026年3月時点で、FY2027(2026年10月1日開始)のH-1B電子登録は2026年3月上旬〜下旬に実施予定です。主な注意点は以下の通りです。
- 登録料は**$215**(FY2026から据え置き)
- ベネフィシャリー中心ルールが引き続き適用
- 有効なパスポート情報の登録が必須
- 組織的な不正登録に対するUSCISの監視が強化
H-1B申請プロセスの全体像:抽選当選後の流れ
抽選に当選した後、実際にH-1Bビザが手に入るまでの道のりを順を追って説明します。
ステップ1: LCA(Labor Condition Application)の申請
まず、雇用主が米国労働省(DOL)にLCAを提出します。LCAは電子申請で、通常7営業日以内に承認されます。
LCAに記載する主な内容は以下の通りです。
- 職種名と職務内容
- 勤務地(都市・州)
- 給与額(Prevailing Wage以上であること)
- 雇用期間
ステップ2: I-129請願書の提出
LCA承認後、雇用主がUSCISにフォームI-129(Petition for a Nonimmigrant Worker)を提出します。I-129には膨大な書類を添付する必要があります(詳細は次のセクションで説明)。
ステップ3: USCISによる審査
USCISがI-129を審査します。通常処理(Regular Processing)の場合、審査期間は3〜6ヶ月程度です。プレミアム・プロセッシングを利用すれば15営業日以内に結果が出ます。
ステップ4: ビザスタンプの取得(米国外にいる場合)
I-129が承認されたら、米国外にいる申請者は在外米国大使館・領事館でビザスタンプを取得する必要があります。日本人の場合は、在日米国大使館(東京)または在大阪・神戸米国総領事館で面接を受けます。
ステップ5: 米国入国
ビザスタンプを取得後、ビザの有効期間開始日の最大10日前から米国に入国できます。H-1Bの場合、通常は10月1日(会計年度開始日)から就労開始です。
ステップ6: I-94の確認
入国後、I-94(出入国記録)をCBPのウェブサイトで確認し、滞在許可日が正しいことを確認してください。
H-1B申請に必要な書類一覧
H-1B申請では、雇用主側と申請者側の両方で多数の書類が必要になります。
雇用主が準備する書類
| 書類 | 説明 | | :--- | :--- | | フォームI-129 | 非移民労働者請願書(本体) | | H Classification Supplement | I-129のH-1B専用補足フォーム | | 承認済みLCA | 労働省承認のLabor Condition Application | | サポートレター | 職務内容、必要スキル、給与などを詳述 | | 会社情報 | 事業内容、従業員数、年間売上、財務諸表など | | 組織図 | 申請者のポジションがどこに位置するか | | 雇用契約書またはオファーレター | 給与、職務、雇用条件の明記 |
申請者(外国人労働者)が準備する書類
| 書類 | 説明 | | :--- | :--- | | 学位証明書 | 学士号以上の卒業証書・成績証明書 | | 学歴評価書 | NACES/AICE加盟機関による米国学位同等性の評価 | | パスポートコピー | 有効なパスポートの全ページ | | 履歴書(CV/Resume) | 学歴、職歴、スキルの詳細 | | 過去のビザ関連書類 | 以前のI-797承認通知、ビザスタンプのコピーなど | | 資格・ライセンス証明 | 該当する場合 | | 推薦状 | 専門性を証明する同僚や上司からの推薦状(任意だが有効) |
学歴評価(Credential Evaluation)のポイント
日本の大学で取得した学位をH-1Bに使う場合、**NACES(National Association of Credential Evaluation Services)**またはAICE加盟の評価機関による評価レポートが必要です。主要な評価機関には以下があります。
- WES(World Education Services)
- ECE(Educational Credential Evaluators)
- SpanTran
- Foundation for International Services(FIS)
評価には通常2〜4週間かかるため、早めに手配しましょう。費用は$100〜$300程度です。
H-1Bの審査期間とプレミアム・プロセッシング
通常処理の審査期間
H-1Bの通常処理(Regular Processing)の審査期間は、申請を処理するUSCISサービスセンターや時期によって大きく異なります。
| サービスセンター | 目安期間(2026年現在) | | :--- | :--- | | カリフォルニアSC | 3〜6ヶ月 | | バーモントSC | 2〜5ヶ月 | | テキサスSC | 3〜5ヶ月 |
最新の処理期間はUSCISの処理時間ページで確認できます。
就労ビザの処理期間についてさらに詳しく知りたい方は、アメリカ就労ビザ処理期間の完全ガイドもご参照ください。
プレミアム・プロセッシング
追加料金を支払うことで、USCISに15営業日以内の審査を保証してもらえる制度です。
| 項目 | 内容 | | :--- | :--- | | 費用 | $2,805(2024年2月の値上げ後) | | 審査保証期間 | 15営業日(カレンダー日数ではない) | | 申請フォーム | I-907(I-129と同時または後から提出可能) | | RFEが出た場合 | 15営業日のカウントがリセット |
プレミアム・プロセッシングは承認を保証するものではなく、あくまで審査速度を保証する制度です。15営業日以内に承認、却下、RFE(追加証拠要求)、NOID(却下予告)のいずれかが出されます。
H-1Bビザの有効期間と延長ルール
基本の有効期間
H-1Bビザの初回有効期間は最大3年です。その後、最大3年の延長が可能で、合計で最大6年間米国に滞在できます。
6年を超える延長(AC21法の特例)
通常6年が上限ですが、以下の条件を満たす場合はさらに延長できます。
1. I-140が承認済みの場合(AC21 Section 104(c))
雇用ベースのグリーンカード申請で、I-140(移民請願書)がすでに承認されているが、ビザ番号の空きがなく最終段階(I-485)に進めない場合、1年ごとにH-1Bを延長可能。
2. PERM申請から365日以上経過している場合(AC21 Section 106(a))
PERMの労働認証申請を提出してから365日以上が経過しており、まだ審査中の場合も、1年ごとの延長が可能。
この特例のおかげで、グリーンカードの待ち時間が長い国籍(インド、中国など)の申請者も合法的に米国で就労を続けることができます。日本人の場合はグリーンカードの待ち時間が比較的短いため、6年以内にプロセスを完了できるケースが多いです。
米国外での滞在期間の回復(Recapture)
H-1Bの6年の計算は、米国内に物理的にいた日数でカウントされます。つまり、出張や休暇で米国外にいた期間は6年にカウントされません。この「使わなかった日数」を取り戻すことをRecaptureと呼び、延長申請の際に米国外滞在の証拠(パスポートのスタンプ、航空券など)を提出して残り期間を回復できます。
H-1Bの転職(Transfer)とポータビリティ
H-1Bビザ保持者が転職する場合、新しい雇用主が別途H-1B請願書を提出する必要があります。ただし、**AC21法(American Competitiveness in the Twenty-first Century Act)**のポータビリティ条項のおかげで、比較的スムーズに転職できます。
ポータビリティの仕組み
| 条件 | 内容 | | :--- | :--- | | 現在のH-1Bステータス | 有効であること | | 新雇用主のI-129 | USCISに提出済み(受理済み)であること | | 就労開始 | I-129がUSCISに受理された時点で新雇用主のもとで就労開始可能 | | 承認前の就労 | 合法だが、もし却下された場合は就労を停止する必要あり |
つまり、新しい雇用主のH-1B申請がUSCISに受理(Receipt Notice)されれば、承認を待たずに新しい仕事を始められるということです。
転職時の注意点
- 転職のたびに新しいLCAが必要
- Cap免除の雇用主からCap対象の雇用主に移る場合、Capの対象になる可能性がある
- グリーンカード申請中(I-140承認済み)の場合、ポータビリティの恩恵がさらに大きい
- 転職前に移民弁護士に相談することを強く推奨
H-1Bからグリーンカード(永住権)への道
H-1Bビザは非移民ビザ(一時滞在)ですが、**デュアルインテント(二重の意思)**が認められているため、グリーンカード(永住権)を申請しながらH-1Bステータスを維持できます。これはH-1Bの大きなメリットの一つです。
雇用ベースのグリーンカード取得プロセス
H-1Bからグリーンカードへの最も一般的な流れは、**雇用ベース(Employment-Based)**の移民ビザ申請です。3つのステップで進みます。
ステップ1: PERM労働認証(Labor Certification)
雇用主が米国労働省にPERMを申請します。これは「この外国人労働者を雇用しても、同等の資格を持つ米国人労働者の雇用機会を奪わない」ことを証明するプロセスです。
- 求人広告の掲載(新聞、オンライン求人サイトなど)が必要
- 応募者の選考プロセスの記録を保持
- 審査期間: 約6〜18ヶ月(バックログにより変動大)
- 費用: 弁護士費用含め$5,000〜$15,000
ステップ2: I-140移民請願書(Immigrant Petition)
PERM承認後、雇用主がUSCISにI-140を提出します。
- 雇用主の支払い能力の証明が必要
- 審査期間: 通常6〜8ヶ月(プレミアム・プロセッシングなら15営業日)
- I-140のプレミアム・プロセッシング費用: $2,805
- カテゴリー: EB-2(修士号以上)またはEB-3(学士号)が一般的
ステップ3: I-485ステータス調整(Adjustment of Status)またはConsular Processing
I-140が承認され、ビザ番号が利用可能になったら、最終ステップに進みます。
- I-485(米国内で申請): 米国内にいる場合。EAD(就労許可証)とAdvance Parole(渡航許可)も同時申請可能
- Consular Processing(米国外で申請): 在外米国大使館で移民ビザ面接を受ける
- 審査期間: I-485は通常8〜14ヶ月
日本人のグリーンカード待ち時間
日本人にとって朗報なのが、グリーンカードの**優先日(Priority Date)の待ち時間が比較的短いことです。インドや中国の申請者は数年〜数十年の待ち時間がありますが、日本を含む「その他の国」カテゴリーは通常Current(すぐに利用可能)**です。
つまり、日本人の場合はPERM→I-140→I-485のプロセスを順調に進めれば、2〜3年程度でグリーンカードを取得できる可能性があります。
日本人がH-1Bを申請する際の特有の注意点
学歴評価
日本の4年制大学の学位は米国のBachelor's Degreeと同等と評価されるのが一般的です。ただし、短期大学(2年制)や専門学校の卒業では学士号と同等にならないことが多いため、追加の実務経験が必要です。
英語力
H-1Bの申請自体に英語力のテストスコア(TOEFLなど)は不要ですが、面接やRFEへの対応、そして何より日常業務で英語力は必須です。大使館でのビザ面接は英語で行われます。
ビザ面接の準備
在日米国大使館でのH-1Bビザ面接では、以下のような質問がよくあります。
- 具体的な職務内容は何ですか?
- なぜあなたがその仕事に適任なのですか?
- 会社はどのような事業をしていますか?
- 給与はいくらですか?
- 過去の学歴・職歴を教えてください
面接には、I-797承認通知、パスポート、DS-160確認ページ、写真、学位証明書、レジュメなどを持参します。
日本からのリモートワークの注意
H-1Bビザは米国内での就労を前提としたビザです。日本に長期間滞在しながらリモートワークで米国企業の仕事をする場合、H-1Bステータスの維持に問題が生じる可能性があります。米国外滞在が長引く場合は移民弁護士に相談してください。
H-1Bビザと他の就労ビザの比較
アメリカで働くためのビザはH-1B以外にもいくつかあります。日本人がよく検討するビザとの比較表を見てみましょう。
| 項目 | H-1B | L-1(企業内転勤) | E-2(投資家) | O-1(卓越した能力) | | :--- | :--- | :--- | :--- | :--- | | 対象 | 専門職 | 同一企業の転勤者 | 条約国の投資家 | 卓越した能力・実績 | | スポンサー | 米国雇用主 | 米国関連企業 | 自身(投資先企業) | 米国雇用主またはエージェント | | 年間枠 | 85,000(抽選) | なし | なし | なし | | 学歴要件 | 学士号以上 | なし(経験要件あり) | なし | なし(卓越した実績が必要) | | 有効期間 | 3年(最大6年) | L-1A: 7年, L-1B: 5年 | 2〜5年(更新可) | 3年(更新可) | | 配偶者の就労 | H-4 EAD(条件付き) | L-2 EAD(自動付与) | E-2配偶者EAD | O-3(就労不可) | | グリーンカード | デュアルインテントOK | デュアルインテントOK | NG(非移民意思が前提) | 可能(ケースバイケース) | | 日本人の利用しやすさ | 抽選のハードル | 日系企業の駐在に最適 | 日米通商条約の恩恵あり | ハイレベルな実績が必要 |
E-2ビザに興味がある方は、E-2ビザの完全ガイドで詳しく解説しています。
H-1Bビザの費用:雇用主と申請者の負担
H-1Bビザの申請費用は主に雇用主が負担します(法律上、一部の費用は雇用主の負担が義務)。
雇用主が支払う費用
| 費用項目 | 金額 | 備考 | | :--- | :--- | :--- | | I-129申請料 | $780 | USCIS Filing Fee | | ACWIA Fee(教育訓練費) | $750または$1,500 | 従業員25人以下: $750 / 26人以上: $1,500 | | Fraud Prevention Fee | $500 | 新規・初回転職時のみ | | Public Law 114-113 Fee | $4,000 | 従業員50人以上かつH-1B/L-1が50%超の企業のみ | | 電子登録料 | $215 | 毎年3月の抽選登録時 | | プレミアム・プロセッシング(任意) | $2,805 | I-907 | | 弁護士費用 | $3,000〜$10,000 | 事務所により異なる |
典型的な総費用の目安
| 企業規模 | 概算総費用 | | :--- | :--- | | 小規模企業(25人以下) | $5,000〜$12,000 | | 中〜大規模企業 | $6,000〜$18,000 | | プレミアム・プロセッシング含む | 上記 + $2,805 |
申請者が負担する可能性のある費用
法律上、I-129の申請費用やACWIA Feeは雇用主が負担する義務がありますが、以下は申請者が負担するケースもあります。
- ビザスタンプ申請料(DS-160): $205
- 学歴評価費用: $100〜$300
- 健康診断費用(該当する場合)
- 渡航費用
H-4ビザ(配偶者・子供)とH-4 EAD
H-1Bビザ保持者の配偶者と21歳未満の子供は、H-4ビザで米国に同行できます。
H-4ビザの基本
| 項目 | 内容 | | :--- | :--- | | 対象 | H-1Bビザ保持者の配偶者および21歳未満の子供 | | 有効期間 | H-1B保持者と同じ | | 就労 | 原則不可(H-4 EADを取得すれば可能) | | 就学 | 可能(フルタイム、パートタイムとも) | | 運転免許 | 取得可能(州によりルールが異なる) |
H-4 EAD(就労許可証)
2015年から、特定の条件を満たすH-4ビザ保持者は就労許可証(EAD: Employment Authorization Document)を取得できるようになりました。
H-4 EADの取得条件:
- H-1B保持者(配偶者)のI-140が承認済みであること
- または、H-1B保持者がAC21に基づき6年を超えて延長を認められていること
H-4 EADを取得すれば、制限なく米国内で就労できます(職種や雇用主の制限なし)。
ただし、トランプ政権下ではH-4 EADの廃止が何度も提案されており、将来的な制度変更の可能性には注意が必要です。2026年3月時点ではH-4 EAD制度は存続しています。
H-1Bの却下理由とRFE(追加証拠要求)への対策
H-1B申請が一発で承認されないケースは珍しくありません。USCISからRFE(Request for Evidence)が発行されることは多く、適切に対応すれば承認される可能性は十分あります。
よくある却下理由・RFE理由
1. Specialty Occupationの証明不足
「この仕事に本当に学士号が必要なのか?」という点をUSCISに疑われるケース。特にIT系のジェネラルなポジション(Systems Analyst、Programmerなど広い職種名)で起きやすいです。
対策: 職務内容を具体的かつ詳細に記述し、業界標準として学位が必要であることを示す資料(業界レポート、求人広告の分析など)を提出。
2. 学位と職務の関連性不足
申請者の学位の分野と、実際の職務内容が一致しないと判断されるケース。
対策: 学位の専攻と職務内容の関連性を詳述した専門家の意見書(Expert Opinion Letter)が有効。
3. 雇用主の支払い能力の疑問
小規模企業やスタートアップの場合、Prevailing Wageを支払い続ける経済力があるかをUSCISが疑うケース。
対策: 税務申告書、銀行残高証明書、財務諸表、事業計画書などで支払い能力を証明。
4. 雇用主と従業員の関係
第三者の職場(クライアントサイト)で働く場合、雇用主がどの程度の監督・管理権を持っているかが問われるケース。コンサルティング会社のH-1B申請で特に多い問題です。
対策: 詳細な雇用契約書、クライアントとのサービス契約、作業指示書などを提出。
5. 賃金レベルの問題
提示された給与がPrevailing Wageを下回っている、または職務内容に対して不自然に低い場合。
対策: 労働省のデータベースで正確なPrevailing Wageを確認し、適正な給与レベルを設定。
RFE対応の基本戦略
- 期限を厳守: RFE受領後、通常87日以内(旧制度では84日)に回答が必要
- すべての項目に対応: 一部だけ回答して残りを無視しない
- 追加証拠を充実させる: 求められた以上の証拠を提出する
- 移民弁護士に依頼: RFE対応は専門知識が必要——自力対応はリスクが高い
2026年のH-1Bビザ最新アップデート
2026年3月時点でのH-1Bに関する最新動向をまとめます。
規則改定の動き
- H-1B近代化最終規則(Modernization Rule): 2025年1月に発効した規則により、Specialty Occupationの定義が明確化され、「directly related(直接関連する)」学位要件が緩和されました。関連する複数分野の学位が認められやすくなっています
- 登録料の値上げ: 電子登録料が$10から$215に大幅値上げ(FY2026から適用)
- ベネフィシャリー中心ルールの継続: 不正な複数登録への対策が引き続き強化
政策的な不確実性
トランプ政権の移民政策は予測が難しく、以下の変更が検討・議論されています。
- H-1B Prevailing Wageの引き上げ
- Specialty Occupationの審査厳格化
- H-4 EADの廃止または制限
- 給与ベースの抽選選考の導入
日本人の申請者は、USCISの公式発表を常に確認し、移民弁護士と密に連携することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1: H-1Bビザの抽選に外れたらどうなりますか?
H-1Bの抽選に外れた場合、いくつかの選択肢があります。翌年の抽選に再度エントリーする、Cap免除の雇用主(大学や研究機関)での雇用を探す、O-1ビザ(卓越した能力)やL-1ビザ(企業内転勤)など他のビザカテゴリーを検討する、またはF-1学生ビザのOPT(Optional Practical Training)やCPT(Curricular Practical Training)を利用する方法があります。最も確実なのは、翌年の抽選に再エントリーしながら、並行して他の選択肢も探ることです。
Q2: H-1Bの申請から取得まで、全体でどれくらいの期間がかかりますか?
H-1Bビザの取得にかかる期間は、抽選登録(3月)から就労開始(10月1日)まで約7ヶ月です。ただし、これは抽選に当選し、通常処理で審査がスムーズに進んだ場合です。プレミアム・プロセッシングを利用すれば、I-129提出後15営業日以内に結果が出ます。RFEが発行された場合は追加で2〜3ヶ月かかることがあります。
Q3: H-1Bビザで副業はできますか?
H-1Bビザはスポンサー企業での就労のみを許可するビザです。副業(別の雇用主での就労)をするには、その雇用主が別途H-1Bを申請する必要があります。つまり、2社で働く場合は2つのH-1Bが必要です。ただし、Capの対象にならない場合もあるため(既にCap対象のH-1Bを持っている場合はCap免除)、手続きは比較的シンプルです。フリーランスや自営業はH-1Bでは認められていません。
Q4: H-1Bビザが切れた後、どれくらいの猶予期間がありますか?
H-1Bステータスが終了した後(失業、解雇など)、60日間のグレースピリオド(猶予期間)があります。この期間内に新しいH-1B雇用主を見つけて転職手続きを行うか、他のビザステータスに変更するか、米国を出国する必要があります。60日を超えて滞在するとオーバーステイ(不法滞在)になります。グレースピリオドの詳細はグレースピリオド完全ガイドをご覧ください。
Q5: 日本の専門学校卒でH-1Bは申請できますか?
日本の専門学校(2年制または3年制)の卒業だけではH-1Bの学位要件(学士号相当)を満たしません。ただし、専門学校卒業+関連分野での実務経験を合わせることで、学士号と同等と評価される場合があります(3年の実務経験=大学1年分)。この方法での申請はRFEの対象になりやすいため、事前に学歴評価機関で「学士号相当」の評価が取得できるか確認することをおすすめします。
Q6: H-1Bビザで起業はできますか?
理論上、自身が過半数を所有する会社がスポンサーとなってH-1Bを申請することは可能です。ただし、USCISは雇用主と従業員の関係を厳しく審査します。自分自身がオーナーであり従業員でもある場合、「雇用主が従業員を解雇する権限を持っているか」という点で疑問が生じます。起業を目的とする場合は、E-2投資家ビザの方が現実的な選択肢です。
Q7: H-1Bの抽選に当選したが、辞退することはできますか?
はい、抽選に当選しても雇用主がI-129を提出しなければ自動的に失効します。また、I-129提出後でも取り下げ(withdrawal)は可能です。ただし、USCISにすでに支払った申請料は返金されません。将来の抽選への参加に悪影響はありません。
Q8: H-1Bからグリーンカード申請中に転職した場合、グリーンカードの申請はどうなりますか?
AC21のポータビリティ条項により、I-140が承認されてから180日以上経過し、I-485が180日以上審査中であれば、「同一または類似の職種」への転職はグリーンカード申請に影響しません。ただし、I-140が承認から180日以内に取り消された場合はグリーンカード申請が無効になる可能性があるため、転職のタイミングは慎重に判断してください。
Q9: H-1Bの更新・延長は何回までできますか?
H-1Bの延長は3年ごとに申請でき、通常は合計6年が上限です。ただし、グリーンカード申請中(PERMまたはI-140が一定期間以上審査中、またはI-140が承認済み)の場合は、1年ごとまたは3年ごとの延長が可能で、回数の制限はありません。グリーンカードのプロセスが完了するまで何度でも延長申請できます。
Q10: H-1Bビザで日本に一時帰国する際の注意点は?
H-1Bビザスタンプが有効であれば、日本への一時帰国と米国への再入国は問題ありません。ただし、以下に注意してください。I-797承認通知(原本)を必ず携帯すること、ビザスタンプが期限切れの場合は在日米国大使館で更新が必要なこと、米国外に1年以上滞在するとH-1Bステータスが失効する可能性があること、グリーンカード申請中の場合はAdvance Parole(事前渡航許可)の取得状況を確認することが重要です。
まとめ:H-1Bビザ取得を成功させるために
H-1Bビザは、アメリカで専門職として働くための最もポピュラーな就労ビザです。抽選という大きなハードルがありますが、しっかり準備すれば取得のチャンスは十分あります。
H-1Bビザ取得の成功ポイント:
- 早期準備: 抽選登録の3月に間に合うよう、前年から雇用主との調整を始める
- 書類の完璧な準備: 学歴評価、LCA、サポートレターなど、すべての書類を隙なく準備
- 移民弁護士の活用: 専門知識が必要な分野であり、プロの助けは投資対効果が高い
- Plan Bの準備: 抽選に外れた場合の代替プラン(他のビザカテゴリー、翌年再挑戦)も並行して検討
- グリーンカードへの長期計画: H-1B取得後すぐにPERM→I-140のプロセスを開始するのが理想的
アメリカのビザ制度全般について広く知りたい方は、アメリカビザの種類と申請方法の完全ガイドもあわせてご確認ください。
免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。個別のケースについては、必ず移民法専門の弁護士にご相談ください。移民法は頻繁に変更されるため、最新情報はUSCIS公式サイト(uscis.gov)で確認してください。
免責事項
この記事は教育目的のみであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な移住やビジネスの決定については、必ず認可された専門家(弁護士、会計士など)にご相談ください。
Nippon to USA 編集部
NipponToUSA ライター。アメリカでのビジネスと移住に関する専門情報を日本語でお届けします。


