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EB-5投資永住権プログラム|最低投資額・条件・申請方法を解説
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EB-5投資永住権プログラム|最低投資額・条件・申請方法を解説

Omer Aydin
18 min read

EB-5投資永住権プログラム|最低投資額・条件・申請方法を解説

導入:EB-5プログラムとは何か?

EB-5投資永住権プログラムは、米国経済の活性化と雇用創出を目的として、1990年に米国議会によって創設された移民プログラムです。このプログラムは、外国の投資家が米国で商業企業に一定額の資本を投資し、10人以上のフルタイム雇用を創出または維持することを条件に、投資家とその配偶者、21歳未満の未婚の子どもに米国永住権(グリーンカード)への道を開くものです [1]。

EB-5は、雇用に基づく移民ビザの第5優先カテゴリー(Employment-Based Fifth Preference)に分類されるため、「EB-5」と呼ばれています。特に、2022年3月に成立した**EB-5改革・誠実法(EB-5 Reform and Integrity Act of 2022, RIA)**により、プログラムの透明性と誠実性が大幅に強化され、投資額やTEA(ターゲット雇用エリア)の定義など、重要な変更が加えられました。

本記事では、最新のEB-5プログラムの要件、最低投資額、申請プロセス、そして投資家が知っておくべき重要なポイントについて、米国移民局(USCIS)の公式情報に基づき、詳細かつ包括的に解説します。

第1章:EB-5プログラムの基本要件

EB-5プログラムを通じて永住権を取得するためには、主に「投資」「雇用創出」「商業企業」の3つの主要な要件を満たす必要があります。

1. 投資額の要件(Capital Investment Requirements)

EB-5プログラムの最低投資額は、投資対象となる商業企業が**ターゲット雇用エリア(TEA)**に位置するかどうかによって異なります。RIAの施行により、投資額は以下のように変更されました [2]。

| 投資エリア | 2022年3月15日以降の最低投資額 | 以前の最低投資額 | | :--- | :--- | :--- | | 標準エリア (Non-TEA) | $1,050,000 (105万ドル) | $1,000,000 | | ターゲット雇用エリア (TEA) | $800,000 (80万ドル) | $500,000 | | インフラストラクチャー・プロジェクト | $800,000 (80万ドル) | N/A |

資本(Capital)の定義: EB-5プログラムにおける「資本」とは、現金、設備、在庫、その他の有形資産、現金同等物、および担保付きの負債を指します。ただし、投資家は、その資本が合法的な手段で取得されたものであることを証明しなければなりません [2]。

2. 雇用創出の要件(Job Creation Requirements)

EB-5投資家は、投資先の商業企業において、少なくとも10人のフルタイムの雇用を創出または維持する必要があります。

  • フルタイム雇用:週に35時間以上の労働を要するポジションを指します。
  • 雇用創出の対象:米国の市民、永住権保持者、またはその他の移民ステータスで米国での就労が許可されている者(H-1Bなどの非移民ステータスを除く)が対象です [3]。
  • 直接雇用と間接雇用
    • 直接雇用:投資先の商業企業に直接雇用される従業員。
    • 間接雇用:地域センター(Regional Center)を通じて投資する場合にのみ認められる雇用で、投資の結果として商業企業外で創出される雇用(例:サプライヤーの雇用、建設業者の雇用など)を指します。

3. 商業企業の要件(New Commercial Enterprise)

投資は、以下のいずれかの「新しい商業企業(New Commercial Enterprise)」に対して行われる必要があります [2]。

  • 1990年11月29日以降に設立された企業。
  • 1990年11月29日以前に設立された企業で、投資の結果として再構築または再編成され、新しい商業企業として成立したもの、または投資により純資産または従業員数が40%以上増加したもの。

「新しい商業企業」には、営利目的の事業活動を行うためのあらゆる合法的な事業体(個人事業主、パートナーシップ、会社、合弁事業など)が含まれますが、個人的な住居の所有・運営などの非商業的な活動は含まれません。

第2章:ターゲット雇用エリア(TEA)の詳細

TEAへの投資は、最低投資額が$800,000に引き下げられるため、EB-5プログラムにおいて非常に重要です。RIAにより、TEAの指定プロセスが変更され、USCISがTEAの指定を行うようになりました。

TEAの定義

TEAは、以下のいずれかの条件を満たすエリアとして定義されます [2]。

  1. 農村地域(Rural Area):大都市統計地域(MSA)の外にあり、人口が2万人未満の地域。
  2. 高失業地域(High Unemployment Area):投資時点で、米国の全国平均失業率の150%以上の失業率を有する地域。

RIAにより、TEAの指定は州や地方自治体ではなく、USCISが連邦政府のデータに基づいて行うことになりました。これにより、指定の透明性と一貫性が向上しました。

地域センター・プログラム(Regional Center Program)

EB-5プログラムの投資の大部分は、地域センター・プログラムを通じて行われます。地域センターは、USCISによって承認された経済単位であり、EB-5投資家からの資金を集め、特定の地理的エリア内で経済成長を促進するプロジェクトに投資します。

地域センターを通じた投資の最大の利点は、間接雇用の創出が認められる点です。これにより、投資家は直接雇用が難しい大規模なプロジェクトにも参加しやすくなります。RIAにより、地域センターの運営にはより厳格なコンプライアンスと誠実性の要件が課せられています。

第3章:EB-5永住権取得の申請プロセス

EB-5プログラムによる永住権取得は、通常、以下の3つの主要なステップで構成されます [4]。

ステップ1:移民請願書(I-526またはI-526E)の提出

投資家は、投資がEB-5の要件を満たしていることを証明するために、請願書をUSCISに提出します。

  • I-526(Immigrant Petition by Standalone Investor):地域センターを介さない直接投資の場合。
  • I-526E(Immigrant Petition by Regional Center Investor):地域センターを介した投資の場合。

この請願書では、投資資本の合法的な出所、商業企業の設立、および雇用創出計画を詳細に証明する必要があります。

ステップ2:条件付き永住権の申請(I-485またはDS-260)

I-526/I-526Eが承認されると、投資家は条件付き永住権を申請します。

  • 米国に滞在している場合:**フォームI-485(身分調整申請)**を提出します。
  • 米国外に滞在している場合:国務省の**DS-260(移民ビザ電子申請書)**を提出し、本国の米国大使館または領事館で面接を受けます。

この段階で、投資家とその家族は2年間の条件付き永住権を取得します。

ステップ3:条件解除の請願書(I-829)の提出

条件付き永住権の有効期限が切れる90日前に、投資家は**フォームI-829(条件解除の請願書)**をUSCISに提出します。

この請願書では、以下のことを証明する必要があります。

  1. 商業企業への投資が維持されていること。
  2. 投資の結果として、10人のフルタイム雇用が実際に創出または維持されたこと。

I-829が承認されると、条件が解除され、投資家とその家族は無条件の永住権(10年有効のグリーンカード)を取得します。

第4章:EB-5プログラムのメリットとリスク

メリット

| メリット | 詳細 | | :--- | :--- | | 永住権の取得 | 投資家とその家族(配偶者および21歳未満の子ども)全員が永住権を取得できます。 | | 柔軟な居住地 | 米国内のどこにでも居住し、働くことができ、特定の雇用主に縛られません。 | | 学費の優遇 | 永住権保持者は、米国の公立大学で州内居住者向けの学費(In-State Tuition)が適用されることが多く、教育費が大幅に軽減されます。 | | ビザスポンサー不要 | 雇用ベースの他のビザカテゴリーと異なり、米国の雇用主によるスポンサーシップが不要です。 | | 市民権への道 | 永住権取得後、一定期間(通常5年)の居住要件を満たせば、米国市民権を申請する資格が得られます。 |

リスクと注意点

| リスク/注意点 | 詳細 | | :--- | :--- | | 投資の失敗 | EB-5投資は、**リスクにさらされている(At Risk)**必要があります。投資が失敗し、元本が回収できないリスクがあります。 | | 雇用の未達成 | 10人の雇用創出要件を満たせなかった場合、条件解除(I-829)が拒否され、永住権を失う可能性があります。 | | 資金の出所証明 | 投資資金が合法的な手段で取得されたことを、厳格な書類で証明する必要があります。資金の出所が不明確な場合、申請は却下されます。 | | 申請の遅延 | 特に特定の国籍の投資家については、ビザの割り当て(Visa Bulletin)により、永住権取得までに数年間の待ち時間が発生する可能性があります。 | | RIAによる厳格化 | 2022年のRIAにより、地域センターのコンプライアンス要件が厳格化され、投資家はプロジェクトの誠実性をより慎重に評価する必要があります。 |

第5章:よくある質問(FAQ)

Q1. EB-5プログラムはまだ有効ですか?

A. はい、有効です。2022年3月に成立したEB-5改革・誠実法(RIA)により、地域センター・プログラムは2027年9月30日まで再認可されています。プログラムは継続しており、新しい要件の下で申請が可能です。

Q2. 投資資金はいつ返還されますか?

A. EB-5プログラムの要件として、投資資金は条件付き永住権の期間中(通常2年間)、商業企業のリスクにさらされている必要があります。一般的に、投資の返還はI-829の承認後、またはプロジェクトの投資期間(通常5年〜7年)が終了した後になります。投資契約書を詳細に確認することが不可欠です。

Q3. 投資資金の出所証明にはどのような書類が必要ですか?

A. 資金の出所証明は、EB-5申請の最も重要な部分の一つです。給与、事業収益、不動産売却、株式投資、贈与、相続など、資金の源泉に応じて、過去数年間の納税申告書、銀行取引明細書、事業の財務諸表、売買契約書、贈与証明書など、広範な書類が必要です。すべての資金の流れを明確に追跡できることが求められます。

Q4. 地域センターを通じた投資と直接投資のどちらが良いですか?

A. ほとんどの投資家は、地域センターを通じた投資を選択します。その理由は、地域センター・プロジェクトでは、直接雇用に加えて間接雇用の創出が認められるため、雇用創出要件を満たすハードルが低くなるからです。直接投資は、投資家自身が事業を完全にコントロールしたい場合に適していますが、雇用創出の証明がより困難になります。

Q5. 永住権取得までの期間はどれくらいですか?

A. 期間は、投資家の国籍やUSCISの処理速度によって大きく異なります。I-526/I-526Eの審査期間は通常数ヶ月から数年です。ビザの割り当てに制限がない国(日本など)の投資家は、請願書承認後、比較的早く条件付き永住権を取得できます。しかし、ビザの需要が高い国(中国、インドなど)の投資家は、ビザの待ち時間(バックログ)により、さらに数年かかることがあります。

重要な法的免責事項(Legal Disclaimer)

本記事は、米国移民法に関する一般的な情報提供のみを目的としており、法的アドバイスを構成するものではありません。EB-5プログラムへの投資および申請は、複雑でリスクを伴います。投資の決定を下す前に、必ず米国移民法を専門とする弁護士および財務アドバイザーに相談し、個別の状況に基づいた専門的なアドバイスを受けてください。本記事の情報に基づいて行われたいかなる行動についても、筆者および発行者は一切の責任を負いません。


参考文献 (References)

[1] U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS). "EB-5 Immigrant Investor Program." https://www.uscis.gov/working-in-the-united-states/permanent-workers/eb-5-immigrant-investor-program [2] U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS). "About the EB-5 Visa Classification." https://www.uscis.gov/working-in-the-united-states/permanent-workers/employment-based-immigration-fifth-preference-eb-5/about-the-eb-5-visa-classification [3] U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS). "EB-5 Immigrant Investor Process." https://www.uscis.gov/working-in-the-united-states/permanent-workers/employment-based-immigration-fifth-preference-eb-5/eb-5-immigrant-investor-process [4] U.S. Department of State. "Immigrant Investor Visas." https://travel.state.gov/content/travel/en/us-visas/immigrate/immigrant-investor-visas.html

免責事項

この記事は教育目的のみであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な移住やビジネスの決定については、必ず認可された専門家(弁護士、会計士など)にご相談ください。

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