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アメリカ就労ビザ完全ガイド|種類・条件・取得方法・期間を徹底解説
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アメリカ就労ビザ完全ガイド|種類・条件・取得方法・期間を徹底解説

Omer Aydin
18 min read

アメリカ就労ビザ完全ガイド|種類・条件・取得方法・期間を徹底解説

アメリカでのキャリアアップやビジネス展開は、多くの日本人にとって大きな目標です。しかし、その実現には適切な**就労ビザ(非移民ビザ)**の取得が不可欠となります。アメリカの移民法は複雑であり、どのビザが自分や自社の状況に最適かを理解することが成功の鍵となります。

本記事では、アメリカの米国市民権・移民業務局(USCIS)米国国務省(DOS)の公式情報を基に[1]、日本人が最も多く利用する主要な就労ビザの種類、それぞれの詳細な条件、申請プロセス、滞在期間、そして家族帯同に関する最新の情報を徹底的に解説します。

1. アメリカ就労ビザの基本構造

アメリカの就労ビザは、大きく分けて一時的な就労を目的とする非移民ビザと、**永住を目的とする移民ビザ(グリーンカード)**の2種類があります。本記事では、まず非移民ビザに焦点を当てます。

非移民就労ビザの多くは、原則として雇用主(米国企業)が申請者(外国人労働者)のために請願書(Form I-129)をUSCISに提出し、承認を得ることから始まります[2]。

2. 日本人に特に関連性の高い主要な就労ビザ4種

日本人がアメリカで働くために最も一般的に利用される、または日米間の条約により優遇される4つの主要なビザについて詳しく見ていきましょう。

2.1. H-1Bビザ(専門職)

H-1Bビザは、**専門職(Specialty Occupation)**に従事する外国人を対象としたビザで、最も一般的な就労ビザの一つです。

2.1.1. 申請条件

  • 専門職の定義: 専門知識の理論的・実践的な応用を必要とする職種であること。
  • 学歴要件: 職務分野における学士号以上の学位(またはそれと同等の経験)を保持していること[3]。
  • 雇用主の義務: 雇用主は、**労働条件申請書(LCA)**を労働省(DOL)に提出し、H-1B労働者に対し、同等の経験を持つ米国人労働者と同等以上の賃金を支払うことを証明する必要があります[3]。

2.1.2. 滞在期間と抽選制度(Cap)

  • 滞在期間: 初回は最長3年間、延長により最長6年間の滞在が可能です。永住権申請の状況によっては、6年を超えて延長できる特例があります。
  • 抽選制度(Cap): H-1Bビザには年間発給枠(Cap)が設けられており、通常、一般枠65,000件修士号以上枠20,000件の合計85,000件が上限です。申請数が上限を超えた場合、USCISによる電子登録プロセスを経て、抽選で選ばれた者のみが請願書を提出できます[3]。
  • 最新の動向: 2025年12月現在、DHSはH-1Bの選考プロセスに関する最終規則を発表しており、2027年度のCapシーズンからは、より高スキル・高賃金の申請者を優遇する加重選考プロセスが導入される予定です[3]。また、特定の非移民労働者の入国制限に関する大統領布告により、2025年9月21日以降に提出される新規H-1B請願書には、例外を除き追加で10万ドルの支払いが義務付けられるという重要な変更がありました[3]。

2.2. L-1ビザ(企業内転勤者)

L-1ビザは、国際企業が**管理職・役員(L-1A)または専門知識を有する従業員(L-1B)**を、海外の関連会社から米国内の支店、子会社、関連会社に転勤させるためのビザです。

2.2.1. L-1A(管理職・役員)

  • 条件: 過去3年間のうち、継続して1年以上、海外の関連会社で管理職または役員として勤務していた者が、米国内でも管理職または役員として勤務するために転勤する場合に適用されます[4]。
  • 滞在期間: 初回は最長3年間、延長により最長7年間の滞在が可能です。新規オフィス設立の場合は初回1年間です[4]。

2.2.2. L-1B(専門知識を有する従業員)

  • 条件: 過去3年間のうち、継続して1年以上、海外の関連会社で**専門知識(Specialized Knowledge)**を有する従業員として勤務していた者が、米国内でも専門知識を活かした職務に就くために転勤する場合に適用されます[5]。
  • 専門知識の定義: 組織の製品、サービス、研究、機器、技術、経営などに関する特別な知識、または組織のプロセスや手順に関する高度な知識や専門性を指します[5]。
  • 滞在期間: 初回は最長3年間、延長により最長5年間の滞在が可能です。新規オフィス設立の場合は初回1年間です[5]。

2.3. E-1ビザ(条約トレーダー)

E-1ビザは、日米間の通商航海条約に基づき、条約国(日本)の国籍を持つ者が、主に米国と条約国との間で相当量の貿易を行うために米国に入国することを許可するビザです[6]。

  • 条件: 貿易量の50%以上が米国と条約国(日本)との間で行われていること、貿易が継続的かつ相当量であることなどが求められます[6]。
  • 申請者: 貿易を行う企業(法人)の経営者、またはその企業の管理職・役員、もしくは高度な専門スキルを持つ従業員が対象となります[6]。
  • 特徴: 雇用主による請願書(Form I-129)の提出が不要で、直接在外公館でビザ申請が可能です。

2.4. E-2ビザ(条約投資家)

E-2ビザは、E-1と同様に日米間の通商航海条約に基づき、条約国(日本)の国籍を持つ者が、相当額の資本を米国内の企業に投資し、その事業を経営・発展させるために米国に入国することを許可するビザです[7]。

  • 条件: 投資額が「相当額」であること、投資が「実質的な企業(Bona Fide Enterprise)」に対して行われること、投資が「限界的(Marginal)」ではないこと(投資家とその家族の生計を立てるためだけではないこと)などが求められます[7]。
  • 申請者: 投資家本人、またはその企業の管理職・役員、もしくは高度な専門スキルを持つ従業員が対象となります[7]。
  • 特徴: E-1と同様に、雇用主による請願書(Form I-129)の提出が不要で、直接在外公館でビザ申請が可能です。

3. 主要就労ビザの比較表

| ビザの種類 | 対象者 | 滞在期間(最長) | 家族帯同(配偶者の就労) | 雇用主の請願書(I-129) | 永住権への移行 | | :--- | :--- | :--- | :--- | :--- | :--- | | H-1B | 専門職の外国人労働者 | 6年間 | H-4(特定の条件で就労可) | 必要 | 可能(EB-2/EB-3へ) | | L-1A | 企業内転勤の管理職・役員 | 7年間 | L-2(就労許可あり) | 必要 | 容易(EB-1Cへ) | | L-1B | 企業内転勤の専門知識保持者 | 5年間 | L-2(就労許可あり) | 必要 | 可能(EB-2/EB-3へ) | | E-1/E-2 | 条約トレーダー/投資家とその従業員 | 制限なし(更新可能) | E-1/E-2(就労許可あり) | 不要 | 困難(非移民の意思が必要) |

4. 申請プロセスと期間

就労ビザの申請プロセスは、ビザの種類によって大きく異なりますが、H-1BやL-1ビザのように請願書が必要なケースの一般的な流れは以下の通りです。

  1. 請願書の提出(雇用主): 雇用主がUSCISに請願書(Form I-129など)を提出します。H-1Bの場合は、これに先立ち電子登録と抽選があります。
  2. 請願書の承認(USCIS): USCISが請願書を審査し、承認通知(Form I-797)を発行します。
  3. ビザの申請(申請者): 申請者が米国外の米国大使館・領事館でビザ(査証)を申請し、面接を受けます。
  4. 入国: ビザが発給された後、米国の入国地で税関・国境警備局(CBP)の審査を受け、入国許可(I-94)を得ます。

期間: 申請期間はビザの種類やUSCISの処理速度、大使館・領事館の状況により大きく変動します。特にH-1Bは抽選があるため、時期が限定されます。L-1やEビザは、プレミアム・プロセッシング(追加料金を支払うことで審査期間を短縮する制度)を利用できる場合があります。

5. 家族帯同と配偶者の就労

主要な就労ビザのほとんどは、配偶者と21歳未満の未婚の子どもを帯同家族として連れてくることが可能です。

| ビザ主申請者 | 帯同家族のビザ | 配偶者の就労可否 | | :--- | :--- | :--- | | H-1B | H-4 | 特定の条件(永住権申請中など)を満たせば、**就労許可証(EAD)**の取得により就労可能[3]。 | | L-1A/L-1B | L-2 | **就労許可証(EAD)**の取得なしに、ステータスに基づき就労が許可されます(I-94にL-2Sと記載)[4][5]。 | | E-1/E-2 | E-1/E-2 | **就労許可証(EAD)**の取得により就労可能[6][7]。 |

特にL-2およびE-1/E-2の配偶者は、比較的容易に就労許可を得られるため、家族での移住を考える上で大きなメリットとなります。

6. よくある質問(FAQ)

Q1. H-1Bビザの抽選に落ちた場合、他に選択肢はありますか?

A1. H-1Bの抽選に落ちた場合でも、L-1ビザ(企業内転勤)、E-1/E-2ビザ(条約トレーダー/投資家)、またはO-1ビザ(卓越能力)など、他のビザの要件を満たしていれば、そちらを検討できます。特に日系企業からの転勤であればL-1、投資や貿易関連であればEビザが有力な選択肢となります。

Q2. Eビザは永住権につながりますか?

A2. Eビザは「非移民ビザ」であり、申請者は米国に永住する意思がないことを示す必要があります。そのため、直接的に永住権(グリーンカード)につながるビザではありません。しかし、Eビザで滞在中にEB-5(投資永住権)やEB-1C(多国籍企業の管理職・役員)など、他の永住権カテゴリーの要件を満たせば、永住権を申請することは可能です。

Q3. L-1ビザの「専門知識」とは具体的にどのようなものですか?

A3. L-1Bビザにおける「専門知識」とは、その企業独自の製品、サービス、技術、経営手法などに関する、他の従業員にはない高度な知識や専門性を指します。単なる技術スキルではなく、その知識が企業の国際市場での競争力に不可欠であることなどが求められます。

7. まとめと専門家への相談

アメリカの就労ビザは、種類が多岐にわたり、それぞれに複雑な要件と最新の動向が存在します。特にH-1Bの抽選制度や、L-1・Eビザの企業要件は、専門的な知識なしに正確に判断することが難しい分野です。

アメリカでの就労やビジネス展開を成功させるためには、ご自身の状況や企業の計画に最適なビザを選択し、最新の移民法に基づいた適切な戦略を立てることが不可欠です。

当事務所では、日系企業や日本人専門職の方々を対象に、H-1B、L-1、E-1/E-2ビザをはじめとする各種就労ビザの申請サポートを専門的に行っております。初回相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。


法的免責事項(Legal Disclaimer)

本記事に記載されている情報は、一般的な情報提供のみを目的としており、特定の個人または企業に対する法的助言(Legal Advice)を構成するものではありません。移民法は頻繁に変更されるため、最新の法律や規制、判例に基づいた個別の助言については、必ず資格を有する移民弁護士にご相談ください。本記事の情報に基づいて行動したことにより生じた損害について、当事務所は一切の責任を負いません。


参照情報(References)

[1] U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS). "Working in the United States." [2] U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS). "Temporary (Nonimmigrant) Workers." [3] U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS). "H-1B Specialty Occupations." [4] U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS). "L-1A Intracompany Transferee Executive or Manager." [5] U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS). "L-1B Intracompany Transferee Specialized Knowledge." [6] U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS). "E-1 Treaty Traders." [7] U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS). "E-2 Treaty Investors."


免責事項

この記事は教育目的のみであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な移住やビジネスの決定については、必ず認可された専門家(弁護士、会計士など)にご相談ください。

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